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5位/2013年キネプレ10大ニュース

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2013年は、いろんな映画館で多彩な企画が、これまで以上に試みられた年でもありました。
シネコンにはない小回りの良さ、フットワークの軽さを生かして、いままでの映画を上映するだけのスタイルから踏み込んで、お客さんとの距離が一層縮まる催しを、精力的に打ち出していったように思います。

まずご紹介したいのは、神戸・元町映画館でのこの話題。
「愛・ゾンビ博」と題したゾンビ映画の特集上映を行う中で、「お客さまにゾンビになってもらおう」という企画が浮上。
同館の2館のスペースを開放してみんなにゾンビメイクをしてもらいました。
当日は約60名が、思い思いのメイクで参加。元町商店街に繰り出し、道行く人にゾンビウォークを披露しました。

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商店街に繰り出すゾンビたち
■元町商店街が阿鼻叫喚の地に? ゾンビ60人が練り歩き
http://www.cinepre.biz/archives/5177

映画館でのユニークな企画もあります。
大阪・十三にある第七藝術劇場と、京都・東寺にある京都みなみ会館。
こちらの2館では、ミュージシャンたちによるライブ演奏が、映画館の中で行われました。
第七藝術劇場では、空中ループというバンドが、ツアーの千秋楽となるライブを実施。トークあり、24分超の映像作品の上映あり、ともりだくさんの内容でした。
京都みなみ会館は、普段行っているオールナイトイベントの一環として、「Late Show Films」を始動。バンドTurntable Filmsが企画し、音楽にかかわる映画を上映しながら、合間に2組の演奏を披露しました。
それぞれ満席となったお客さんが、映画館の座席に座ってライブ演奏を楽しむ、という一風変わったスタイルを堪能しました。

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第七藝術劇場で空中ループがツアーファイナル
5thLateShow
京都みなみ会館での「Late Show Films」
■映画館でライブ&映像鑑賞 七藝に空中ループ登場
http://www.cinepre.biz/archives/3801
■映画と音楽に浸って迎える朝 京都でLate Show Films始動
http://www.cinepre.biz/archives/6697

映画館での普段と違う音楽体験、となれば、「爆音上映」も欠かせません。
これは、東京・吉祥寺のバウスシアターという映画館で2004年にしスタートしたイベントで、「音楽ライブ用の音響セッティングで、映画を観賞する」というものです。それぞれの映画の音の核心を見抜き、新鮮な驚きを提供する企画として、多くのファンを集めています。
関西では2012年から定期的に開催。爆音映画祭や爆音忘年会などが実施され、好評を博してきました。

5th爆音
2013年5月に開催された爆音映画祭
■大音量の映画体験、再び関西へ GWに爆音映画祭
http://www.cinepre.biz/archives/5526
■『AKIRA』など大友克洋の世界を大音量で 神戸で「爆音忘年会」
http://www.cinepre.biz/archives/8756

最後に、映画館自体が起こした、新しいアクションを紹介します。
大阪・梅田にあるブルク7。こちらに2013年6月、「ミュージアムスペース」がオープンしました。
「映画を超える劇場へ」をテーマに掲げ、様々な用途に利用できる空間を設置。たとえば壁面にはアニメの原画やグッズを展示したり、中央に「映画の雰囲気を体感できる」特設セットを組んだりと、作品の世界にどっぷり浸れる空間づくりを目指しています。
すでに様々なイベントに活用され、同館が、「映画を観るだけ」から一歩進んだ体験を提供できる場所になりつつあります。

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梅田ブルク7にオープンしたミュージアムスペース
■“映画超える劇場”目指す 梅田ブルク7にミュージアム新設
http://www.cinepre.biz/archives/6355

ユニークな企画を打ち出したり、音楽とのコラボを推し進めたり。
はたまた映画館のスペース自体をリニューアルしたり。
こうした動きは、2014年以降もいろんなところで活発に行われていくでしょう。
映画館がどんな特別な体験を味あわせてくれるのか。今後に期待したいと思います。

編集長のひとこと
morip
とくにミュージシャンのライブ演奏は、いままで想像しなかったような試みでした。
でも音楽好きと映画好きは、重なるところも多い。映画館がそうしたジャンルの垣根を越えて、人同士をつなぐ場所になればいいなと思います。
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