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2位/2013年キネプレ10大ニュース

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2013年は、インド映画が流行った年でした。
それに一役、いや、二役も三役もかったのが、「マサラシステム」という鑑賞方法です。
マサラ、とは「混沌」のこと。その名の通り、いろんな要素を混ぜ込んでいるものを意味します。
南インドの映画館で日常的に行われている「映画を観ながら口笛を鳴らしたり、拍手を送ったりする」にぎやかな鑑賞方法を、日本に輸入したのです。

立役者は、関西在住の安田英俊さん。
もともと大阪・新世界のシネフェスタでのインド映画上映に合わせて、「認知度が少ないインド映画をもりあげよう」と企画したのが始まりだとか。
それが爆発的な人気を呼び、いまでは全国各館で定期的に催されるようになりました。

2ndダンス練習
上映前のダンス練習
2nd紙吹雪まみれ
紙吹雪とクラッカーまみれになった劇場内
■インド映画で踊って年納め サンサン劇場でマサラ上映盛況
http://www.cinepre.biz/archives/8875

2013年は、インド映画自体の魅力が大きく認知された年でもあります。
もともと、年間製作本数が1,000本以上と言われる映画大国インド。アメリカのハリウッドになぞらえて「ボリウッドムービー」と呼ばれ、世界中でファンを拡大しています。

特徴的なのは、ミュージカルがふんだんに盛り込まれていること。
たとえば近年のインド映画の大ヒット作『きっと、うまくいく』や、マサラシステムにぴったりの『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』にも、ミュージカルシーンがたくさん。
気軽に観られる楽しいエンタメ作品として、インド映画が知られつつあります。

2ndきっとうまく
『きっと、うまくいく』(C)Vinod Chopra Films Pvt Ltd 2009. All rights reserved
2ndOSO
『恋する輪廻 オーム・シャンティ・オーム』(C) Eros International Ltd
■『きっと、うまくいく』快進撃! インド映画「ボリウッド」が関西席巻
http://www.cinepre.biz/archives/6249

マサラシステムはさらに、同好の志を多く作りだしました。
その魅力にやみつきになり、多くの会場に足を運ぶ人が続出。なかには、サリー衣装のコスプレをする人や、有志でダンスの振り付け指南を作る人も。
休憩時間(インド映画は基本的に長尺の作品なので、合間に小休止があることが多いのです)に談笑したり、終了後に興奮を分かち合ったり。
マサラをきっかけに、どんどん仲間が広がっていく。そうした人が、また違う友達や同僚をつれて、マサラ上映に足を運び、新たなファンをつくっていく。
そんな循環が、うまれつつあった年でした。

2ndコスプレ
サリー姿で参戦
2nd有志ガイド
有志手作りのダンスガイド

マサラシステムをきっかけに、インド映画の魅力が広まっていった2013年。
それに合わせて、映画館の新しい楽しみ方も、どんどん多くの人に支持されていきました。
2014年もインド映画は、日本の映画業界に大きな旋風を巻き起こしそうな予感がします。

2ndマサラ集合
マサラ上映に大集合
編集長のひとこと
morip
マサラシステムが大阪発祥、ということは、あんまり知られていません。
でもみんなで騒ぎながら観る、というのは、関西人にぴったりなスタイルなのかもしれませんね。
2014年はどんなマサラの熱狂が生まれるのか。楽しみです。
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