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林海象監督が語る“映画の新世紀” 『彌勒』が大阪上映開始

大阪・十三の第七藝術劇場で、映画『彌勒 MIROKU』の上映がスタート。初日の5月3日(土)には林海象監督が訪れ、舞台あいさつを行った。

林海象挨拶_劇場前
第七藝術劇場を訪れた林海象監督

映画『彌勒 MIROKU』は、小説家・稲垣足穂の同名小説を、『私立探偵 濱マイク』などで知られる林海象監督が映画化したもの。林監督が教鞭をとる京都造形芸術大学の学生たちとのプロジェクトの一環として制作された。主演は永瀬正敏さんと土村芳さん。佐野史郎さん、井浦新さんらプロの俳優陣が脇を固めている。
2013年6月には、京都の下鴨神社で「奉納上映」を行い、大きな話題に。同年8月からスタートした「フィルムオーケストラバージョン」は、上映に生演奏を合わせるというもので、連日満席の大盛況となっていた。

生演奏付きだけでなく、通常の映画としても制作された同作。横浜市の映画館ジャック&ベティでは6カ月ものロングラン上映が行われたほか、関西では地元京都の京都シネマで4月に公開された。

彌勒1
『彌勒 MIROKU』
彌勒2
『彌勒 MIROKU』

大阪公開の初日に第七藝術劇場を訪れた林海象監督は、まず上映前に作品の魅力を簡単にレクチャー。上映後にもあいさつを行った。
林監督は、同作を「新世紀映画」とうたっていることについて、「映画が誕生して120年ほど。つまりいまは2世紀目に入っています」と言及。「1世紀目には素晴らしい作品たちがありましたが、これから2世紀目の新しい状態に行くのではないか、いまはその間で試行錯誤が続く時期なのではないかと思っています」と映画の未来への思いを披露した。

林海象挨拶_劇場中
「映画の世紀」について語る林監督

「もちろん興行などのやり方は変わっていくかもしれないが、映画自体はなくならないんじゃないかなと。文字と同じ、“言語”になっていますから。映像で物語を語る、ということはまだまだ消えないと思っています」と話す林監督。

「いまの20歳代の人たちの時代には、その新しい映画の形ができるのでは。いまは、いろいろな星が爆発して生まれようとしている時代だと思います。この『彌勒 MIROKU』もその星の一つ。そうした作品をいろいろ観て、その中から自分の星を見つけ出してほしいと思っています」としめくくった。

映画『彌勒 MIROKU』は、大阪・十三の第七藝術劇場で5月16日(金)まで上映中。5月9日(金)までは通常版の上映だが、5月10日(土)からは生演奏の音源を使用したバージョンを上映する。
また5月4日(日)上映時には、同作出演者の水本佳奈子さん、土居志央梨さんの舞台あいさつが予定されている。

詳細情報
上映日程 5月3日(土)~5月16日(金)
※5月3日(土)~9日(金)は通常版、
 5月10日(土)~16日(金)は生演奏版を上映
映画館 第七藝術劇場
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073)
サイト 『彌勒 MIROKU』公式サイト
http://0369.jp/
第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/
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