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ビンタに土下座金策・・・話題沸騰『ホームレス理事長』が関西上映

退学球児の更生に奔走するNPO法人の理事長の姿を描き、大きな反響を呼んだドキュメンタリー映画『ホームレス理事長 退学球児再生計画』が、大阪の第七藝術劇場、京都シネマ、神戸アートビレッジセンターで上映される。

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『ホームレス理事長 退学球児再生計画』を監督した東海テレビ放送の土方宏史さん

『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(2013年、110分)は、東海テレビ放送が手がけたドキュメンタリー映画。
東海テレビはこれまでも、『平成ジレンマ』(2011年)、『死刑弁護人』(2012年)、『長良川ド根性』(2012年)などのドキュメンタリー映画を多数製作。その素材の選抜眼や描き方が話題となっていた。

本作は第6弾作品。素行や家庭の事情などで退学してしまった高校球児に更生する場を与えようと活動するNPOルーキーズ。その山田豪理事長や池村英樹監督、選手たちの姿を赤裸々にとらえた。
中でも山田理事長が金策にいきづまり、自宅の電気・ガス・水道が止められる様子や、撮影スタッフにすら借金をお願いする姿、さらに池村監督が選手にビンタをするシーンが大きな話題を呼んだ。
当初テレビ番組として地元で放映されたところ、大きな反発が。フジテレビでも本作の放送を見合わせる結果となったという。

ホームレス理事長1
『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(C)東海テレビ放送

監督をつとめた東海テレビ放送の土(本来は土に「、」)方宏史さんは、「取材を始めたときは、球児たちの姿を追う作品にするつもりだった」という。だが、本作の阿武野プロデューサーの薦めもあって、理事長やNPOの活動自体に焦点をあてなおした。山田理事長の無策ぶりにも多くの批判が殺到したが、「いまは何でも事前に計算して、予想を立ててしまう時代。こういった活動は、無謀さがないとできなかったのでは」と話す。

初の監督という立場を経験したが、「自分自身が感じ入ったところをつなぎ合わせると完成した、という印象です。もちろん登場人物たちに本気で怒る人もいる。そんな“許せない欠点”を持っている人たちでもあるので、ヒーローに見えちゃうことがないように気を使いました」と振り返る。

問題となったビンタシーンや理事長の“土下座金策”についても、「ビンタした監督はもちろんちゃんと選手に向き合って、あの行動をとった。感情が動くところを見せたい、と思ってドキュメンタリーを撮っているので、外せなかった。行動にはその人なりの理由がちゃんとある。それを観てもらって、そのうえで判断してほしい」と呼びかけた。

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『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(C)東海テレビ放送
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『ホームレス理事長 退学球児再生計画』(C)東海テレビ放送

ドキュメンタリー映画『ホームレス理事長 退学球児再生計画』は、大阪・十三の第七藝術劇場で3月15日(土)から4月11日(金)まで上映予定。京都シネマで5月10日(土)から5月16日(金)まで、神戸アートビレッジセンターで5月17日(土)から5月23日(金)まで、それぞれ上映される。

予告編

詳細情報
上映日程 第七藝術劇場
 3月15日(土)~4月11日(金)

京都シネマ
 5月10日(土)~5月16日(金)

神戸アートビレッジセンター
 5月17日(土)~5月23日(金)

映画館 第七藝術劇場
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073)

京都シネマ
京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地COCON烏丸3F、TEL 075-353-4723)

神戸アートビレッジセンター
神戸市兵庫区新開地5-3-14、TEL 078-512-5500)

サイト 『ホームレス理事長 退学球児再生計画』公式サイト
http://www.homeless-rijicho.jp/
第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/
京都シネマ
http://www.kyotocinema.jp/
神戸アートビレッジセンター
http://kavc.or.jp/
『ホームレス理事長』をイラストレビュー/ペンギンシネマ放談 vol.02
http://www.cinepre.biz/archives/10922