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映画館で働く人を徹底解剖(神戸アートビレッジセンター)

神戸アートビレッジセンターからの寄稿です)

映画館で働く人を徹底解剖。
今回は映写担当のN君(仮名)に直撃インタビュー!!
驚異の“映画好き”な一面を見せる一方、音楽とかも好きですよというN君。そして映画はモニターでは見ないというこだわりよう。さてさて、そんなN君の映画ライフは…?

☆その髪型は「家族ゲーム」の松田優作を意識して?
そうですって言いたいですけど、違います。
そもそも「家族ゲーム」見てないです。

☆映写はじめてどれぐらいですか?
専門を出た後で2年ほどシネコンで働いて、KAVCでは1年くらいです。

☆どうですか、映写の仕事
大変ですね。

☆映写をしていて一番驚いたことは?
映写機がとまった時ですね。心臓も止まりました。

☆映写のこだわりは?
限りなく何もしない、色をつけないで出したいと思ってます。

☆そもそも、どうして映写の仕事をしようと?
はじめはTVとかに興味があって、映像の専門学校に行ったんですが、映画の方が面白くて。

☆学生の時によく映画を見に行くようになった?
映画の先生方が面白く、その人たちとしゃべるための共通言語が必要だなと思ったので。

☆世代が違う人たちと映画の話、通じますか?
今では通じますけど常にギャップがあって、
世代ごとに作家や作品を見てきた経験の違いを感じるのが面白いです。

☆学生時代は、同じ世代のお友達も映画見てました?
同期の友人たちは1年間に100本200本300本とかそんな感じでした。

☆今もそれくらい見てるの?
卒業した後も、ずっと平均して1年間で200本くらいですかね。
逆に映画館で働いている人たちは何本くらい見てるのか知りたいです。

☆最近何か面白い映画見た?
「LOOPER/ルーパー」
たかがコインが浮いたことに浮かれない人間の姿が良かったです。

☆これから、見たい映画は?
カラックス、ウェス・アンダーソンもあるし、ゼメキス、タランティーノもあるし、いっぱいありますね。

☆休みの日は他には何かをしてるんですか?
普通に人とあったり、本を読んだりもしてますよ。

☆映画以外のマイブームを教えてください。
大和屋ベーカリーのチーズデニッシュ。

☆これまでに見た映画で、ベストは
作家では、フレデリック・ワイズマン、
作品ではアルノー・デプレシャンの「キングス&クイーン」かなぁ。

☆去年見たので良かったのは
「果てなき路」と「サウダーヂ」

☆今年楽しみなのは
「ホーリー・モーターズ」と「Playback」

☆「Playback」はもう見てるよね。どこが良かった?
映画の手触り、印象が軽やかだなってとこ。
あと、デジタルで撮影してるのに、わざわざ35ミリの上映プリントを作るという、普通でに考えたらかかるコストの割にメリットの少ないことをしているんだけど、それが間違いなく作品に生きている。そういう「起こるはずのなかったこと」が当たり前の顔をして映し出されるところです。

☆あなたにとっての“夢の映画館”は?
見れない映画がないっていう。権利がどうとかなくて、全部見れる。

聞き手:HK 2013年2月 KAVCシアター前にて