映画『おだやかな日常』の公開に合わせて、12月23日(日)、同作主演女優兼プロデューサーの杉野希妃さんが神戸の元町映画館を訪れ、舞台あいさつを行った。
登壇した藤島支配人(左)と杉野さん |
『おだやかな日常』の舞台は、福島の原発事故後の東京。東京に住む女性2人の心情の変化と、周りを巻き込む行動を描いた作品だ。子どもを守りたい思いで幼稚園の庭の放射線量を図るなどの行動に出て、周囲の反発を招く主婦サエコを、杉野希妃さんが演じている。
この日元町映画館を訪れた杉野さんは、集まった観客に「元町映画館は、初めて私の特集上映を行ってくれたところ。感慨深いですね」とあいさつ。「東日本大震災のあと、被災地でのドキュメンタリーという形で多くの映画が作られましたが、私は違うものを描きたかった」と話した。
元町映画館の藤島支配人は、「この映画は震災を多角的に見ている作品。わかりやすく、きちんと作られている映画だと思います」と紹介すると、杉野さんは「もちろんこの作品は、311以降だから生まれた映画。でも、311以前から日本に存在した対立構造を、普遍的に描いていると思います。あと、女性の生きる意味に密着し、女性たちの声を表にだしていきたいと思ったんです」と作品についての思いを披露した。
今作への思いを語る杉野さん |
あいさつ終了後は、観客との意見交換も。杉野さんは最後に、「賛否両論を覚悟の上で作った作品です。まずたくさんの人に観ていただき、それぞれの方が考えるきっかけになればと思っています」としめくくった。
元町映画館のスタッフさんたちと記念撮影 |
『おだやかな日常』は現在、神戸の元町映画館、大阪・九条のシネ・ヌーヴォ、京都みなみ会館で上映中。
■サイト
『おだやかな日常』公式サイト
http://www.odayakafilm.com/
杉野希妃主演『おだやかな日常』 関西3館で同時上映【キネプレニュース】
http://www.cinepre.biz/?p=3356