大阪・中津の公園で無料野外上映会開催へ　作品は『シング・ストリート未来へのうた』

大阪・中津の豊崎南公園で、無料の野外上映イベント「秋の夜の野外上映会」が10月20日（土）に開催される。上映作品は、青春バンド映画『シング・ストリート未来へのうた』。抽選で映画館の招待券プレゼントも。

「秋の夜の野外上映会」は、大阪・中津の美容室「KNOW HAIR STUDIO」とNPO法人「JAPAN HAIR DONATION&CHARITY」が協同で企画する野外シアターイベント。ヘアドネーションという活動を広く一般の人にも知ってもらおうと、2012年以降毎年開催している。ヘアドネーションとは、小児がんや白血病、先天性の脱毛症などで頭髪を失ってしまった子供たちのために、寄付で集めた髪の毛でウィッグを作り、無償で提供していく取り組み。

同イベントを主催する「KNOW HAIR STUDIO」延岡さんは、ヘアドネーションの活動を伝えつつ、老若男女みんなが一体になって楽しめる空間が作れないかと模索する中で、ニューヨークで見たある光景を思いだした、と語る。
「ニューヨークでは夏になると、都会の真ん中の公園で野外上映会をやってるんです。おじいちゃん、ちびっ子、若者が一堂に集まっている。みんながそこでひとつの空間を共有しているのが、すごくいいなあと思いました」
大阪でも同じようなことができないか、と手探りで始めた上映会。毎年多くの観客が訪れ、今では心待ちにする常連客がいるほどの恒例行事となった。
当初は夏のイベントとして始めたが、悪天候による順延もあったため、より多くの人に来てもらおうと、2016年以降は時期を秋にずらしての開催となっている。

過去の開催の様子

今まで取り扱ってきた作品は、ドキュメンタリー映画、アニメーション、短編映画など、ジャンルはさまざま。昨年は、日本映画の『セトウツミ』を上映。近隣の住民や家族連れ、ふと立ち寄ったサラリーマンなど、多くの人が公園に詰めかけ、ブルーシートに寝転んだり、ベンチに座ったり、それぞれ思い思いのスタイルでスクリーンを囲んだ。　

7回目を迎える今回は、青春バンド映画の傑作『シング・ストリート未来へのうた』をセレクト。『ONCE ダブリンの街角で』『はりまりのうた』のジョン・カーニー監督がメガホンをとった作品で、2016年の公開時には、映画ファン、音楽ファンの間で大きな反響を呼んだ。
主人公は、80年代半ば、不況下のアイルランド・ダブリンに住むサエない中学生のコナー。両親の不仲や抑圧的な男子校での生活など、不満だらけの日々の中でコナーが唯一夢中になるのは、デュラン・デュランをはじめとする80’sロックミュージックだった。やがて一目ぼれした少女を口説くためバンドを結成することに。一人また一人とバンドメンバーを集め、彼らは見よう見まねで曲作りを始める…というストーリー。涙あり、笑いあり、友情ありの青春物語だ。全編にわたって思わず踊りだしたくなる音楽も散りばめられており「秋の夜空の下で見るのにぴったりの作品」と主催者も太鼓判を押す。