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マカオ発の映画7本を日本初上映 大阪で「マカオ映画祭」開催へ

カジノの街として知られるマカオでここ10年間に制作された映画作品を一挙上映する「マカオ映画祭」が、大阪の第七藝術劇場とプラネットプラスワンで開催へ。『恋するミナミ』などのリム・カーワイ監督が同祭の実現に尽力している。

マカオ映画祭_リム監督
マカオ映画祭を手がけるリム・カーワイ監督

リム・カーワイさんは、マレーシア出身の映画監督。大阪の大学を卒業後、東京で就職するも、映画監督を志して退職。中国・北京で映像技術を学んだ後、アジア各地を行き来しながら映画制作を続けている。アジア各地で撮影された作品のほか、大阪・新世界を舞台にした『新世界の夜明け』(2011年)、ミナミでの多国籍な恋愛を描いた『FLY ME TO MINAMI 恋するミナミ』(2013年)を制作している。

今回リム監督は、中国・香港の対岸、カジノの街として知られるマカオで作られたインディーズ映画を日本で初めて上映する「マカオ映画祭」の、企画から交渉、宣伝、字幕監修までを担当。マカオ文化局と、「影意志」(イム・イー・チー)という1997年に香港でスタートした、自主映画を製作・宣伝する集団と準備を進めてきた。
「影意志」はインディペンデントの映画を多く手がけてきた団体。2011年にはマカオ支部を設立。マカオ政府の助成金を受けながら、映画人の活躍の場を広げるべく活動している。

香港インディペンデント映画祭に協力したこともあり、「影意志」との縁が深かったというリム監督。
「いままではマカオでの映画と言っても、香港からマカオに撮影しに行くだけ。マカオ人による映画は作られてこなかった」と振り返る。「マカオのインディペンデント映画の父」と呼ばれるヴィンセント・ホイ監督が最初の長編映画を手がけて約10年。「この10年のマカオ映画の中からの選りすぐりが集まった」とリム監督は胸を張る。

オープニングに上映されるのは、「影意志」メンバーでもあるヴィンセント・チュイ監督の『花の咲かない果実』(2012年、97分)。マカオでオール・ロケされた作品で、夫と離れてマカオに戻る女性と、父と愛人との関係を知った女性の出会いから始まる物語を描く。
その他、ヴィンセント・ホイ監督の長編第2作『ビフォー・ドーン・クラック』(2007年、120分)や、若手監督6人によるオムニバスラブストーリー『マカオの恋の物語』(2011年、100分)、インドネシアからの出稼ぎ労働者の現実を撮影したドキュメンタリー『出稼ぎの女たち』(2009年、72分)など。短編3作品を集めての上映もある。

花の咲かない果実1
『花の咲かない果実』
花の咲かない果実2
『花の咲かない果実』

「マカオの映画が日本で上映されるのは初めてでとても貴重」と話すリム監督。さらには「マカオの映画人にもぜひこの映画祭に合わせて、日本に来てほしいと考えました。日本の観客と交流することで刺激を得て、今後の映画作りに良い影響を持ち帰ってもらいたい」と期待を寄せる。5月30日(金)のオープニング上映時には、監督、スタッフたちが第七藝術劇場に勢ぞろいするほか、6月1日(日)までは作品上映後にトークやシンポジウムも催される。

第七藝術劇場でのオープニングは、セレモニーが20時30分から、『花の咲かない果実』上映は20時45分から。翌日の5月31日(土)から6月6日(金)までは、中崎町のプラネットプラスワンで上映・トークが行われる。
日本初上陸を果たすマカオの新進気鋭の映画たち。新たなアジアの才能を、いち早く目撃したい。

マカオ映画祭トレーラー

『花の咲かない果実』予告編

詳細情報
開催日程 第七藝術劇場
 5月30日(金)
 20時30分 オープニングセレモニー
 20時45分 『花の咲かない果実』上映

プラネットプラスワン
 5月31日(土)~6月6日(金)

料金 第七藝術劇場オープニング上映
 前売1,200円、当日1,500円

プラネットプラスワン
 当日のみ 一般1,200円、会員1,000円

開催会場 第七藝術劇場
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073)

プラネットプラスワン
大阪市北区中崎町2-3-12パイロットビル2階、TEL 06-6377-0023)

サイト マカオ映画祭
http://macaufilmfestival.jimdo.com/
第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/
プラネットプラスワン
http://www.planetplusone.com/