新潟県の少女が、「牛の医者」を目指して努力する姿を26年間撮りつづけたドキュメンタリー映画『夢は牛のお医者さん』が、第七藝術劇場で上映中。京都シネマ、神戸アートビレッジセンターでも上映予定。
『夢は牛のお医者さん』(2014年、 86分)は、テレビ新潟制作のドキュメンタリー映画。
撮影は、新潟県の山あいにある小学校に、3頭の牛が“入学”したところからスタートする。そして、ある小学3年生の少女が「牛のお医者さん」になることを志し、進学。獣医になるための大学受験や国家試験にチャレンジし、見事夢を実現させていく姿を、26年間にわたって追いかけている。
ナレーションを務めるのは、アイドルグループAKB48の横山由依さん。
もともとは1987年に時田さんが、テレビ局の地方の話題の一つとして「牛の入学」を取材したことからはじまった。そのあと取材をつづけるうちに、小学3年生だった知美さんに「牛のお医者さんになりたい」という夢を聞いたという。
知美さんが高校生のときには、自宅に連絡すると「家を出て、獣医になるために勉強している」ことを聞いた時田監督。「これは本気だな、と思いました。じゃあ、獣医の夢が実現するまで追いかけようと決意しました」と振り返る。
そして大学に合格、さらに獣医になるための国家試験の合格まで、知美さんの人生の節目節目を取材。合格して、「夢がかなった」と思った時田監督だったが、知美さんから「夢はまだかなっていないんです。やっとスタートラインに立てただけ。まだまだこれから」と言われ、ショックを受けた。
そこで、「じゃあ、本当に夢がかなうまで取材をつづけよう」と密着を継続。結果として知美さんが結婚・出産を経験しながら、地元・新潟で獣医として経験を積んでいく様子までを記録することになった。
その後、2011年に東日本大震災が発生。この知美さんの取材の様子をテレビ新潟で放映したところ、「震災で気持ちが下向きになっていた人が、知美さんの夢を追う姿を見て、元気をもらえたと喜んでくれた」という。それを受けて「被災地の人や全国の人にも観てもらい、元気になっていただきたい」と決意。新潟県を飛び出して、劇場での公開を企画した。
映画は、まず東京・新潟で3月29日(土)から公開され、ぴあの初日満足度ランキングで1位を獲得。口コミでも人気を拡大し、多くの映画館で上映されるようになったという。
上映がスタートすると、多くの家族連れに鑑賞された本作。「子どもは夢を持って頑張る人のすごさを理解し、親は、夢を持つ子どもの理解の仕方を学んでくれました。そして働いている人からも、『働くってどういうことだろう』と考えさせられた、という声もありました」と時田監督。「世代によって受け取り方が違うので、だからこそあらゆる人に観てもらえれば」と呼びかけている。
『夢は牛のお医者さん』は、大阪・十三の第七藝術劇場で6月6日(金)まで上映中。京都シネマでは5月10日(土)から5月16日(金)まで、神戸アートビレッジセンターでは6月7日(土)から6月13日(金)まで、それぞれ上映予定。
地方テレビ局だからこそ可能だった、26年間という膨大な長さの密着が生む、まさに「人生のドキュメンタリー」だ。
予告編 |
詳細情報 |
上映日程 |
第七藝術劇場 5月3日(土)~6月6日(金) 京都シネマ 神戸アートビレッジセンター |
映画館 |
第七藝術劇場 (大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073) 京都シネマ 神戸アートビレッジセンター |
サイト |
『夢は牛のお医者さん』公式サイト https://www.teny.co.jp/yumeushi/ 第七藝術劇場 http://www.nanagei.com/ 京都シネマ http://www.kyotocinema.jp/ 神戸アートビレッジセンター http://kavc.or.jp/ |