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9位/2013年キネプレ10大ニュース

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兵庫県・宝塚市で2000年から続けられている映画イベントが、「宝塚映画祭」です。
もともとは、映画製作所があるなど、「映画の都」として知られた宝塚。1995年の阪神・淡路大震災を経るも、復興のシンボルとして1999年には、映画館「シネ・ピピア」が開館しました。
それを受けて、「宝塚にもう一度、映画の灯をともしたい」との思いで第1回宝塚映画祭がスタート。
10年以上におよぶ映画祭の歴史が、幕を開けたのです。

当初より、「市民による市民のための手作りの映画祭」をテーマに動きだした宝塚映画祭。映画やイベントには素人でも、熱意のあるひとたちが集まり、精力的に取り組んだそうです。
ちなみに2012年の第13回では、「資金集め」と、「一緒に映画祭をつくる仲間を探す」ため、当時はまだ浸透していなかったクラウドファンディングによる資金支援を募集。無事資金が集まったことが、一つの大きな転機となりました。

市民たちが素人ながらも積極的に参加し、みんなで一丸となってイベントをつくる。
さらには、一緒にやる仲間をどんどん増やしていく。
そのスタンスは、第14回目を迎えた2013年の時点でも、変わっていません。

9thファンド
2011年の宝塚映画祭
9thファンド.2
多くの市民が行きかう空間に(写真は2006年)
■11月開催の「宝塚映画祭」 ネット活用し資金支援募る
http://www.cinepre.biz/archives/2446

中でも今回の14回目の宝塚映画祭で顕著だったのは、「シネマハック100」と題し、多彩な企画をどんどん生み出していったことです。

「町の映画館をもっと面白くする」そんなアイディアを、実行委員から大募集。
「みんなで感想を書き込んでいったら楽しんじゃないか」
「観終わってから感想を話し合える空間が欲しい」
「自分たちで映画館のサウンドトラックを作ってみたい」
自由な雰囲気の中、そんな声がたくさん集まり、そのほとんどが実行に移されました。

会場となったシネ・ピピアの、いたるところにちりばめられたアイディアが、来場客をお出迎え。
そこには、従来の映画祭とはひと味もふた味も違う、「あったかい手作り感」がありました。

9th14回目
2013年、第14回のフライヤー
9thラウンドテーブル
「感想を語り合う」ラウンドテーブル
■宝塚映画祭の開幕迫る 「シネマハック100」テーマに多彩な展開
http://www.cinepre.biz/archives/7936

■ユニーク企画で交流創造 第14回宝塚映画祭がスタート
http://www.cinepre.biz/archives/8167

14回を経て、より「市民による市民のため」の映画祭として、おおきな個性を発揮しはじめた宝塚映画祭。
次回以降、どんな進展や飛躍をするのか。
そして、映画祭の新しい可能性をどういう形で見せてくれるのか。
いまから楽しみです。

9thカタラシテーナ
宝塚映画祭で実施された感想ゲーム
■宝塚映画祭
http://takarazukaeiga.com/
編集長のひとこと
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第13回・第14回の同祭ディレクターを務めた岩淵拓郎さんは、もとからの映画マニアではない、いわば別業種の人。
だからこそ、こんなにユニークで他に類を見ない映画祭になったのではないでしょうか。
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