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七芸に樹木希林さん登壇 冤罪描く『約束』で意見交換

3月30日(土)、第七藝術劇場で『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』の舞台あいさつが行われ、樹木希林さんと斎藤潤一監督が登壇した。


斎藤潤一監督(写真左)と樹木希林さん

『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』は、実際の事件をもとにした作品。
三重県名張市の懇親会でぶどう酒を飲んだ女性5人が死亡。逮捕された奥西勝さんは一度は犯行を自供するものの、のちに「自白を強要された」として無罪を主張。1審で無罪となるも2審で死刑判決に。その後再審請求を繰り返しながら、無罪を訴えつづけている。
同作は、この奥西勝さんをフォーカスし、冤罪で独房にいる死刑囚を描いた作品。『平成ジレンマ』『死刑弁護人』などのドキュメンタリー作品を制作した東海テレビが、映画作品にチャレンジした。奥西勝さん役に仲代達矢さん、息子の無実を信じ続ける母・タツノ役に樹木希林さんを配し、「司法のあり方」について問題提起を突き付ける野心作に仕上がっている。


©東海テレビ放送

3月30日(土)には、大阪公開初日として監督の齋藤潤一さんと、樹木希林さんが第七藝術劇場に来館。作品上映後と上映前それぞれに舞台あいさつを行った。


壇上で話す2人

登場した斎藤監督が、「先日の日本アカデミー賞で最優秀主演女優賞に輝いた樹木希林さんです」と紹介すると、樹木さんは「それはやめてっていってるのに、もう」と返し、会場は笑いに包まれた。
同賞の式場で、がんであることを告白したことについては、「みんな『大丈夫ですか』と心配する割に、いろんな予定を入れてくる。本当に心配してるのかしら」ととぼけ、斎藤監督を苦笑させた。

その後は、「大阪の人とお話したい」という樹木さんの希望のもと、観客との交流タイムに。
たくさんの人が手を挙げ、この映画の題材となった事件や、冤罪・死刑制度についての意見などを発言した。
樹木さんはうなずいたり意見を返したりしながら、その日集まった多くの人との交流を楽しんだ。


観客との質疑応答も

立ち見が出るほどの入りとなった第七藝術劇場

『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』は第七藝術劇場で現在上映中。シアターセブンでも4月12日(金)まで公開。4月13日(土)から神戸アートビレッジセンターで、5月18日(土)から京都シネマでそれぞれ公開予定。

■サイト
『約束 名張毒ぶどう酒事件 死刑囚の生涯』公式サイト
http://www.yakusoku-nabari.jp/