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ミニシアターとアカデミー(シネ・リーブル神戸)

シネ・リーブル神戸からの寄稿です)

はじめまして、シネ・リーブル神戸です。当館は、神戸・旧居留地の神戸朝日ビルディング地下1階にあるミニシアターです。
映画のロケ地にも使われる旧居留地は、石造りのヨーロッパ風建物が立ち並ぶ、異国情緒あふれるエリアです。そんな街にオープンしてはや11年。これまで1,000本以上に及ぶ世界中の映画を上映してきました。

さて、2月も終わりを迎えるこの時期に、映画を愛する人々がみな注目しているもの。
それは米国アカデミー賞の授賞式です。カンヌ・ヴェネチア・ベルリンなど、映画祭は世界中にあれど、米国アカデミー賞はこの業界で一番注目されるビッグイベントです。
「自分の好きな作品や、監督・俳優が選ばれてほしい」「自分が働く映画館の上映作品が受賞してほしい。」と願ったり、無名の監督・俳優が選ばれ、これまで知らなかった素晴らしい作品と出会あえるようなサプライズを期待したり。様々な想いをこめて、授賞式を見守ります。
そして授賞式が行われた今週の月曜日、私もドキドキわくわくしながらインターネットの速報を待ちました。

当館の上映作品からはミヒャエル・ハネケ監督の『愛・アムール』が外国語映画賞を受賞!!他にも、受賞は逃したものの、数ある作品の中からノミネートされるまでに至った作品をいくつか上映予定です。
毎年、当館の上映作品にいくつかアカデミー賞各部門を受賞する作品があるのですが、ハリウッド大作のように大きな宣伝展開がないミニシアター作品にとって、国際映画祭で高い評価を得ることは何より宣伝力になります。特にアカデミー賞は、テレビや新聞で多く取り上げられるので、普段あまりミニシアターに行かない人にも知ってもらえる機会です。
シネコン世代の私にとって、この映画館に勤めていなければ知り得なかった名作が数々ありました。それを知るひとつの方法として、ぜひアカデミー賞のみならず、世界中の映画祭に注目してみて下さい。世界から選ばれるには理由があります。それをぜひご自身の目で確かめてみて欲しいです。

ちなみに、当館は1階入り口の階段からチケットカウンターに続く通路に、赤い絨毯が敷かれています。ここを歩くと「映画館に来たな~」という気がすると、お客様からも好評をいただいています。
ぜひ、少し気取った気分で当館のレッドカーペットを歩いてみて下さい。
その道は、名作との出会いに通じているかもしれません。

第85回米アカデミー賞
外国語映画賞受賞『愛・アムール』3月9日より公開 
http://jinseibravo.com/
主演男優賞ほか2部門ノミネート
『ザ・マスター』3月22日より公開
http://themastermovie.jp/
作品賞ほか3部門ノミネート
『ハッシュ・パピー バスタブ島の少女』4月27日より公開
http://www.bathtub-movie.com/