塚口サンサン劇場の改革10年を記した人気連載! 書籍も発売中!

連載コーナーはこちら

エプロン姿でも来れる駅前映画館(塚口サンサン劇場)

塚口サンサン劇場からの寄稿です)


塚口サンサン劇場の歴史は、1953年に現在の地に『塚口劇場』を開設したことから始まりました。阪急塚口駅周辺再開発に伴い、1978年に現在の4スクリーンの『塚口サンサン劇場』となり、現在に至ります。2013年の今年で開設から60年です。これほどの長い歴史を持つ映画館は、全国的にも少ないと思われます。
当劇場の35mm映写機も、さすがに60年前の物ではありませんが、かなりの年代物です。しかし、デジタル映写機が主流となった今でも、モーターをガタガタと言わせながらも、まだまだ元気に動いてくれています。

そんな映写機たちと一緒に、長い間、メジャー映画封切館として、その時々の話題作を上映し続けてきました。そして、2011年の秋以降、当劇場は上映作品の幅を大きく広げていくことになります。以前より年配のお客様から『もっと映画見たくても梅田や三宮までよぉ~見に行かんわ。なんとかならへん?』というご希望を多数いただいていた事が一番の理由でした。
しかし、今まで通りメジャー作品の封切館を維持・継続しながら、その合間に今までとは違った上映作品を編成することはそう簡単なことではありません。ましてや、とてもリスクを伴います。  
しかし、この方向性に、『映画を見たい人がいるんだから、その映画を見てもらったらええんちゃう?』と、あっさりと全員の意見が一致しました。『おいっ!そんな簡単に決めていいのか!?』と内心思いましたが、今振り返ると、この『軽いノリ』こそが当劇場の強みに思えます。

不安だらけのこの新たな試みを、『よしっ!行ける!』と思わせてくれたのが、2011年11月に上映した『電人ザボーガー』でした。その当時、作品選定に日々悶々と悩んでおりました。そんな時、上司がおもむろに『あんな~これ見たいねん。あかん?』と言って手渡してきた1枚のチラシ、それこそが『電人ザボーガー』でした。 

そのチラシを見た瞬間『あ。この人、壊れた。』とグラっと来たことを覚えています。とりあえず全員で作品HPの予告編を見ることにしました。流れる映像を見て全員絶句…、そして大爆笑!勝算なんて全くありませんでしたが、『なんかおもろそう』という『軽いノリ』で上映することに。しかし、この『電人ザボーガー』を上映したことで、当劇場の名前が一気に広まったのでした!
良いのか悪いのかこれに味をしめてしまい、それからは、『軽いノリ』で『悪ノリ』を『ノリノリ』でする映画館になってしまいました。2013年も相変わらずこの『軽いノリ』は変わることはないでしょう。

時代が変わろうとも、塚口サンサン劇場のモットーである『高い志と低い腰!』、これを守って、お客様と同じ歩調で、我々も一緒になって『映画』を楽しんでいける映画館であり続けたいと思います。
次回は、『一体何を考えているんだ?』と、毎回お客様を困惑させている、当劇場自慢の企画上映についてお話できればと思います。