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マッツの声からIMAXナレーションまで! 声優・井上和彦さんが話す吹替・アニメの心構え

ポップカルチャーの祭典「大阪コミコン2023」がインテックス大阪で5月5日(金)~7日(日)に開催。多くの俳優やクリエイターが来場したほか、大阪での念願の初開催が実現したこともあり、大盛況で幕を閉じた。

開催中の5月6日(土)には、声優の日髙のり子さん、井上和彦さんによるトークイベントが行われ、吹替やアニメの声優の舞台裏などのトークで会場を盛り上げた。


日髙のり子さん(左)と井上和彦さん(右)

もともとコミコンの公式YouTube「コミコンチャンネル」で配信している番組「日髙のり子のボイスアクターズ」の一環で、ゲストに井上和彦さんを迎えたスペシャルイベントとしての開催。

井上和彦さんといえば、今回のコミコンのゲストの一人、マッツ・ミケルセンの吹き替え担当であることでも知られている。今回のイベントの舞台裏でマッツに出会ったとき「マイボイス!」と呼ばれたエピソードを披露すると、会場から大きな拍手が起こった。マッツとは『ドクター・ストレンジ』を吹き替えた2016年に出会って以来だといい、覚えていてくれたことの喜びを語った。
「マッツさんは『アナザーラウンド』などでコメディ的な役どころもされているし、いろんな役にチャレンジされているイメージです」と語る井上さん。日髙さんは「井上さんもいろんな役どころをされていますよね。ニャンコ先生(『夏目友人帳』)とか。そいうところも共通しているかもしれませんね」と話した。


日髙のり子さん

ドラマ『ハンニバル』のレクター博士の吹き替えが、マッツ・ミケルセンの声を初めて担当した仕事だったといい、ディレクターの指名だったという。「OKの合図が『エロかったです』というディレクターなんですよ(笑)。普通に『OK』じゃなくて(笑)。そこが評価してもらえたのかな」と会場の笑いを誘った。
「演じるにあたって気を付けたことは、マッツさんの気持ちになってみることですね」と話す井上さん。「マッツさんはよく、しゃべる前に少し口を開けて、それからしゃべるんです。それがめちゃくちゃ色気があると思っていて(笑)」と絶賛した。

他にも、洋画吹替のエピソードが多数。日髙さんに「吹き替えする時、なんとなく俳優さんの息遣いを探ったり、声を似せようとしたりするんですか?」と聞かれると、「似せる気はあんまりないんです。その人から出てきた声じゃなくて、もっと向こうにある演技を主軸に演じたいなと思っています」とコメント。
「僕らの吹き替えの仕事って、完成品に声をあてるという作業。数日ぐらいで終わることも多いです。でも出演している俳優さんは、何か月も、ひょっとしたら何年も時間をかけて演じているわけなんで、どういう気持ちで演じていたのかな、というところにも思いを馳せないと、この仕事はできないんじゃないかなと思うんです」と吹き替えについての思いを語った。


井上和彦さん

一方でアニメの話も。『鬼滅の刃』では謎の耳飾り剣士・継国縁壱役を演じる井上さんだが、「鬼滅は、ほんと画がすごいですよね。テレビでやっていいの?っていうクオリティをやっているので、制作期間もすごくかかっているみたいですし」と言及する。
そうした手がかかるようになった近年のアニメ作品は、アフレコの時は絵がないことも多いという。日髙さんが「絵がないから大変じゃないですか。私は結構悩んでしまうんです」と投げかけると井上さんは「洋画は完成品ですけど、それと違ってアニメは、どんな表情しているんだろう、と思いながらやってたりします。こっちの気持ちで演じていって、それに合わせて絵を作ってもらうこともあります。良ければ使ってもらえるし、違ったら『違うよ』って言ってもらえるし。自由にできることもあるので、いろいろ考えながらやってます」と話した。
途中、『吸血鬼すぐ死ぬ』のキャラクター「Y談おじさん」のお話しも。「普段現場では、和彦さんって呼ばれているのに、この作品だけ『Y談おじさん、出番お願いします』『Y談おじさんの井上さん』とか呼ばれるんです(笑)」と会場を笑わせた。


さらに、井上和彦さんが担当したナレーションで、「IMAXのガイドアナウンス」についてのお話も。日髙さんが現在大ヒット中の『名探偵コナン 黒鉄の魚影(サブマリン)』をIMAXで鑑賞したという話を展開。同作に井上和彦さんは白鳥刑事役で出演しているが、実は冒頭の「ようこそ、IMAXへ。これより、最新テクノロジーを駆使した世界最高の映像体験をお届けします」から始まるアナウンスも、井上和彦さんによるもの。それが披露され、知らなかった会場のファンたちから大きなどよめきが起こった。井上さんは「ぜひIMAXで、映画が始まる前からご覧ください(笑)」と呼びかけた。

最後に日髙さんから「井上さんにとって声優とは何ですか?」という質問が投げかけられ、井上さんは「すべて、ですね」と回答。大きな拍手の中、イベントは終了した。

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大阪コミコン2023