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日系ブラジル人青年に焦点 『孤独なツバメたち』関西へ

浜松市に住む日系ブラジル人の若者たちの仕事と日常、青春を追ったドキュメンタリー映画『孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~』(88分)が11月17日(金)から大阪・第七藝術劇場と神戸・元町映画館で上映される。


『孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~』共同監督の1人、中村真夕さん

若者たちが、その生まれと社会情勢に翻弄されながらも、力強く、ひょうひょうと生きる様を活写したドキュメンタリーが、関西で上映される。

被写体は、15歳から22歳までの日系ブラジル人の青年5人。浜松市で“デカセギ”として暮らすところから、祖国ブラジルでの生活まで、リーマンショックなどの社会情勢にもまれながらもたくましく生きていく姿を描いている。
監督は、海外で活躍しテレビドキュメンタリーにも多く携わってきた中村真夕さんと、浜村学院大学教授の津村公博さん。日本ブラジル交流年として祝われた2008年に、浜松市で取材をしていたという中村さんが津村さんと出会ったことから、この企画がスタートした。
津村さんが日系ブラジル人青年たちの生活実態調査と、教育支援をしているところに、中村さんが同行。最初は「日本で頑張る彼らの姿を撮ろう」と考えていたが、撮りはじめて一カ月でリーマンショックが起き、景気が悪化。5人のうち4人が仕事がなくなり、ブラジルに帰国することになってしまったという。「じゃあ、彼らがブラジルでどう暮らしているかまで追いかけよう」と中村さんがブラジルでの撮影を継続。本作の実現にこぎつけた。


(c)2012 Hamamatsu gakuin University

“デカセギ”と呼ばれる彼ら特有の、渡り鳥みたいな生き方に強く惹かれるところがあった、と話す中村さん。「日本とブラジルの間を行ったり来たりしている。どこにも行けてどこにも適応できるけど、そこがホームではない、という感覚。そういう生き方をカメラにおさめたいと思った」という。被写体に選んだ日系ブラジル人の青年たちについて「デカセギという運命を受け入れているのが印象的だった。犯罪を起こしたり、人生の展開がどんどん早かったりもするけど、この年で人生観をきっちり持っている。素直に凄いなと思いましたね」と話す。
「社会問題もはらんでいるけど、まずは青春の群像劇として観てほしい。恋や夢、仕事など青春特有の悩みを等身大で抱えている彼らの姿を見て、それぞれが考えるきっかけになってもらえれば」とも。


「彼らのたくましい青春を見てほしい」と話す中村監督

関西の上映は11月17日(土)から。第七藝術劇場で29日(木)まで、元町映画館で23日(金)まで。

■予告編

■上映日時
・第七藝術劇場
11月17日(土)~29日(木)
・元町映画館
11月17日(土)~23日(金)

■映画館
第七藝術劇場
(大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ6階 、TEL 06-6302-2073)
元町映画館
(神戸市中央区元町通り4-1-12、TEL 078-366-2636)

■サイト
『孤独なツバメたち~デカセギの子どもに生まれて~』公式サイト
http://lonelyswallows.com/
第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/
元町映画館
http://www.motoei.com/