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「ラブストーリーだけでない青春の物語を堪能してほしい」ボンズ南雅彦さんが語る『ジョゼと虎と魚たち』の魅力

アニメーション映画『ジョゼと虎と魚たち』が昨年末より全国公開中。大阪を舞台にした同作について、制作を担当したアニメーション会社ボンズの南雅彦さんにお話を伺った。

アニメーション会社ボンズの南雅彦さん

『ジョゼと虎と魚たち』は、田辺聖子さんの同名短編小説を原作にしたアニメーション映画。
大学で海洋生物学を専攻する恒夫と、車椅子の女性ジョゼの出会いと成長を描く物語。

メキシコに生息する幻の魚を見るという夢を追いかけながら、バイトに勤しんでいる恒夫が、ある日、坂道から転げ落ちそうになっているジョゼを助けたことから物語が動き出す。
いつも家の中で過ごし、外の世界にあこがれを抱くジョゼが、恒夫との出会いをきっかけに一緒に外に出かけるようになり……というストーリー。

サブ1
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

ボンズの創業者で代表取締役を務める南雅彦さんは、かつてのジョゼの実写と、今回のアニメ化について、「アニメは絵で表現するもので、実写とは全然違うものになるのはもちろんです」と語る。「原作はエロティックなところ、肉体的な表現、リアリティがあるけど、今回のアニメではそういう官能的なものは表現していません。アニメーション映像としての、それとはまた違うところを膨らませたのが今回のアニメ作品です」と話す。

シナリオを読んだ時、「登場人物がすべていい人だな」という印象を持ったという南さん。「そこにはタムラ監督の優しさも出ているのでは」と語る。「カメラワークとかで観客を誘導する目線が、実はこのジョゼたちを遠くから見守るような望遠の視点になっていることも多いですね。だからお客さんも、この2人を見守るように楽しんでもらえたら」と期待を寄せた。

ただ、今回のアニメ化に関しては大変な作業も多かったという。今の時代性を取り入れ、練り直して膨らませており、ジョゼを取り巻く環境も現代に合わせてアップデートしている本作。本編に登場する大阪の各所も現代の風景を忠実に描いていて、スマホなどの現代的な小道具も出てくる。
そういう意味では、原作があるとはいえ、一から作るのと同様、もしくはそれ以上の手間や悩みがあったそうで、「タムラ監督もずっと大変だったけど頑張っていた」と南さん。「実写を意識せずに、ただ一本の良いアニメを作ることに集中してくれたのも良かった」と振り返った。

サブ2
(C)2020 Seiko Tanabe/ KADOKAWA/ Josee Project

この作品の見どころについて南さんは、「ラブストーリー、というだけでなく、成長物語の要素も強い作品に仕上がっています」と語る。「実は出会った時からこの2人は恋に落ちているんだと思います。だからこそ恋愛以外の要素も観てほしい。同じ人生を歩むはずもなかったこの2人が、奇跡的に出会ったところから生まれた素敵なストーリーを楽しんでもらえたら」と呼びかけた。

ちなみに同作には、大阪が舞台なこともあり、梅田や天満、アメリカ村、道頓堀、なんばパークス、天王寺、海遊館など、大阪の実際の土地がたくさん登場する。タムラ監督を含めてスタッフたちが大阪の土地を何回も訪れ、アニメーション制作に落とし込んだといい、そういった土地に注目してみるのも一つの楽しみだ。

アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』は2020年12月25日(金)から全国公開中。

映画『ジョゼと虎と魚たち』予告編

詳細情報
■上映日程
2020年12月25日(金)〜全国公開中

■サイト
アニメ映画『ジョゼと虎と魚たち』公式サイト