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『1+1=11』関西で上映へ 矢崎仁司監督の新作群像劇

独特の映像美で知られる矢崎仁司監督の新作『1+1=11』(66分)が、大阪・九条のシネ・ヌーヴォで11月3日(土)から公開される。並行して1週間の「矢崎仁司監督特集」も。『1+1=11』の上映は23日(金)まで。


トレードマークのハットとサングラスで登場した矢崎仁司監督

矢崎仁司さんは、『三月のライオン』(1992)でベルギー王室主催ルイス・ブニュエルの「黄金時代」賞を受賞した映画監督。魚喃キリコさんのコミックを原作にした『ストロベリーショートケイクス』(2006年)や、小説家江國香織さん原作の『スイートリトルライズ』(2010年)などの作品で知られている。

本作の『1+1=11』(イチタスイチハ イチイチ)は、映画24区というワークショップで、矢崎監督が演技を教えている俳優たちの出演する映画を作る、という企画のもと作られた。25人の登場人物がそれぞれの「1日」を生きていく、群像劇。光と闇のコントラストや、人と人との会話の計算されたズレなど、独特の空気感をまとった「矢崎映画」は今回も健在だ。


『1+1=11』

「なんでもない、いつもの一日・・・1人と1人」というテーマが掲げられている本作。「物語ではなく、“空気”を作ろうとした」と矢崎監督は話す。監督が東日本大震災の後に感じたことが、根幹にあるという。「震災後に、みんなが同じ方向を向いていくことの怖さを感じました。1+1が2になってしまうと、『何十万人の人たちが』とひとくくりに言われてしまう。それはちょっと違うんじゃないかなと。1はいくら足しても2にならないんだ、ということを描きたかったんです」と話す。

九条のシネ・ヌーヴォで11月3日(土)から23日(金)まで上映。同時に3日(土)から実施される「矢崎仁司監督特集」では、監督の過去作『三月のライオン』(1992)、『花を摘む少女と虫を殺す少女』(2000年)、『ストロベリーショートケイクス』(2006年)の3本が一挙上映される。初日の3日(土)には、矢崎監督と脚本の武田知愛さんによるトークショーを開催する。

また関西の他のエリアでも、12月1(土)日~14日(金)に京都シネマ、12月8(日土)~14日(金)に元町映画館での上映が予定されている。

■予告編

■上映日時
11月3日(土)~23日(金)
※「矢崎仁司監督特集」は11月3日(土)~9日(金)

■料金
一般1,500円、学生1,300円、高校生以下・シニア・会員1,000円

■映画館
シネ・ヌーヴォ
(大阪市西区九条1-20-24 、TEL 06-6582-1416)

■サイト
シネ・ヌーヴォ
http://www.cinenouveau.com/
『1+1=11』(映画24区サイト内)
http://eiga24ku.jp/projects/product.html
『1+1=11』公開記念 矢崎仁司特集
http://www.cinenouveau.com/sakuhin/yazaki/yazaki.htm