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2019年03月22日(金)
映画界の巨匠に思い馳せる―大阪でベルナルド・ベルトルッチ監督追悼トークが開催

昨年11月に亡くなったイタリアを代表する映画監督ベルナルド・ベルトルッチをしのぶトークイベント「VIVA!CINEMA ~ベルトルッチに捧ぐ」が3月12日(火)に大阪・天神橋筋六丁目のブックカフェバー「ワイルドバンチ」で開催された。FM802の番組企画の一環。

ベルトルッチ

登壇者はイタリア映画に造詣が深いFM802 DJの野村雅夫さんと、映画サイト「キネプレ」の森田和幸編集長、そして4月にベルトルッチ追悼特集を開催する大阪・九条の映画館シネ・ヌーヴォの山崎紀子支配人。

まず話題にあがったのは初めて観たベルトルッチ作品。野村さんは『リトル・ブッダ』(1993年)、森田編集長と山崎支配人は『ラストエンペラー』(1987年)を挙げた。
野村さんは高校1年生のときにイタリアで『リトル・ブッダ』を観たといい、意外にも「最悪のファーストコンタクトだった」と振り返る。当時はまだイタリア語が話せず、またチベット仏教の知識が乏しかったこともあり内容に納得がいかなかったそう。その一方で映像については「画のインパクト、特に光ですね。色使いがすごいなということは強烈に覚えています」と話す。
『ラストエンペラー』をVHSで見たという森田編集長はその映像美から「大スクリーンで観たい」とコメント。山崎支配人も実際に中国で紫禁城を見たとき「映画の中もそのスケールと全く同じイメージだった」と実物に劣らない迫力を感じたと語り、3名とも映像の美しさに魅せられたと口をそろえた。

ベルトルッチ監督イベント_野村さん

次の話題は「ベストオブベルトルッチ」。
お気に入りの作品として野村さんは『1900年』(1976年)と回答。1900年から約半世紀のイタリアの現代史を、ブルジョアの家族とそこで働く小作人の生き様から描いた5時間を超える大作だ。野村さんは「2つの物語、2つの視点を進めていくのがベルトルッチの特徴であるし、長い時間を行ったり来たりしながら進めていく。最後には『ラストエンペラー』のように映画的な飛躍を堪能できる」と監督の特徴が詰まった映画であると語った。
山崎支配人はなんと前日の夜から朝にかけ『1900年』を観ていたそうで「目を離す隙も無く一気に観ました。すごく面白かったです」と絶賛。森田編集長は『リトル・ブッダ』を選び、「最初に観たときドキュメンタリー映画と思うくらい色使いがリアルでずっと観ていられると思いました。映画はストーリーやあらすじだけで語りがちだけれど、それだけで語れないことがあると教えてくれた作品」と魅力を語った。
野村さんが観客に好きな映画を尋ねる場面もあり、『ドリーマーズ』(2003年)や『ラストタンゴ・イン・パリ』(1972年)など幅広い年代の作品が挙がり、感想を述べあうなど、会場は和気あいあいとした雰囲気に。

ベルトルッチ監督イベント_山崎支配人

途中、野村さんによるベルトルッチ監督のテーマや功績についての解説も。監督の生い立ちから影響を受けた時代背景まで丁寧に説明。観客も時折うなずきながら耳を傾けた。
例えば、ベルトルッチ監督はアジアを舞台にした3作品を製作しており、「東洋3部作」と言われている。野村さんは監督がアジアに目を向けた理由として、推測としながらも「ヨーロッパ文化についてベルトルッチは何でも知っている教養人。エキゾチシズムも含めてアジアにある種の希望があったのでは」と語った。
また、ベルトルッチ監督の人柄が分かるエピソードが、「東洋3部作」では音楽を担当し『ラストエンペラー』でアカデミー賞作曲賞を受賞した坂本龍一のインタビューやコメントから紹介された。撮影の裏側が垣間見える貴重な話や、時折坂本龍一の本音がこぼれる話に会場からは笑いが起こった。

そして野村さんからこの機会にぜひ見てほしいというおすすめのイタリア映画の紹介が。マルコ・トゥリオ・ジョルダーナ監督の『輝ける青春』(2003年)だ。これはベルトルッチ監督の『1900年』の後編のような映画だという。
「ベルトルッチは自分の過去の郷土を描いた。この作品は彼が生きた60年代以降の時代を観ることができる。ジョルダーナ監督はベルトルッチ監督をリスペクトしているのでおもしろい見方ができるのでは」と野村さん。しかし「ベルトルッチほどのクオリティを、少なくともイタリア映画人で継承している人はいないんじゃないか」と映画界の巨匠の死を悼んでいた。濃密な2時間となった今回のトークイベントは大きな拍手で幕を閉じた。

ベルトルッチ監督イベント①

今回の公開収録の模様は3月17日(日)の夜9時に、FM802 『BINGTANG GARDEN』の番組内で放送済。

大阪・九条の映画館シネ・ヌーヴォでは4月20日(土)から5月3日(金)までベルナルド・ベルトルッチ監督追悼特集として5作品が上映される。
また、大阪・テアトル梅田でも『ラストタンゴ・イン・パリ』のデジタルリマスター版の上映が4月5日(金)から始まる予定。

詳細情報
■サイト
Ciao Amici!(FM802)
シネ・ヌーヴォ
テアトル梅田


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「ワイルドバンチ」は大阪・天神橋筋六丁目のブックカフェバーです。
キネプレがコラボして、店内で多数の映画イベントを開催中!(以下一部)



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