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「登場人物たちの想像力の中を描くことこそがリアル」犬童一心監督作『猫は抱くもの』が公開

沢尻エリカさんと吉沢亮さんが主演の映画『猫は抱くもの』が全国公開中。監督は『ジョゼと虎と魚たち』『グーグーだって猫である』の犬童一心さん。

犬童監督

「猫弁」シリーズなどで著名な小説家・大山淳子さんの同名小説を映画化した本作。沢尻エリカさんが、元アイドルでいまはスーパーでアルバイトをするアラサー女性の沙織を、吉沢亮さんが沙織が唯一心を開いている猫で、自分を人間だと思いこんでいるロシアンブルーの猫・良男を熱演。ほかに、売れない画家ゴッホを「銀杏BOYZ」の峯田和伸さんが、アーティストの「水曜日のカンパネラ」のコムアイさんが猫キイロを演じている。コムアイさんは映画初出演。

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(C)2018「猫は抱くもの」製作委員会

本作の大きな特徴としては、多くの場面をロケではなく、ある一つの劇場でセットを組んで撮影している、という点があげられる。猫たちが集まる場所も、猫を擬人化し、多くの猫たちを人間が実際に演劇のように演じるシーンもあり、全編通して不思議な空気感を漂わせている。
「良男は自分が人間だと思い込んでいる、という設定だから、じゃあすべての猫を人間が演じるような構造にしようと思いました」と語る。
「普段から『想像力を含まれないとリアルではない』と思ってます」と監督。
「登場人物たちが頭の中で描いている想像力もあわせて映画にしたほうがリアルなんじゃないかなと。ファンタジーと思って描いているわけではなく、リアルだと思って描いてます」
登場人物たちのそういう想像力を立ち上がらせるためにも、今回は「演劇のセットの中で芝居している」空気感を撮影したかったと語る監督。スーパーマーケットやカラオケボックスなど、通常はロケ撮影をするところ、あえてセットを組んだ劇場内で撮影することで、独特の雰囲気を作り出した。

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(C)2018「猫は抱くもの」製作委員会
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(C)2018「猫は抱くもの」製作委員会

沢尻さんについては「『ヘルタースケルター』のような役ができて、普通の恋愛映画もできる。その振り幅がすごい。いつか一緒に映画を作りたかった」と絶賛する監督。猫の演技をしっかりこなした吉沢さんも「俳優として素晴らしい」と激賞し、「細部をしっかり考えてから現場に来る方。だから現場で役に入るのがすごく早い」と評価した。

犬童監督

映画『猫は抱くもの』は、6月23日(土)より全国公開中。

映画『猫は抱くもの』予告編

詳細情報
■上映日程
 6月23日(土)~

■サイト
映画『猫は抱くもの』公式サイト