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2018年04月27日(金)
「性犯罪被害者の生き様感じた」映画『私は絶対許さない』和田秀樹監督インタビュー

性犯罪被害者の手記を映画化した『私は絶対許さない』が、4月28日(土)より第七藝術劇場にて上映開始。本作のメガホンをとった和田秀樹監督にインタビューを行い、作品にかける思いなどを伺った。

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和田秀樹監督

映画『私は絶対許さない』は、15歳で性的集団暴行を受け、加害者への復讐だけを胸に生きてきた雪村葉子さんの手記を実写化した作品。性犯罪被害者でありながら風俗嬢となり、やがて看護師とSM嬢と、たくましく生きていく女性の強さを描いている。
グラビアなどで活躍する平塚千瑛さんが主人公・葉子を演じ、NHK大河ドラマ『西郷どん』に出演の西川可奈子さんが学生時代の葉子を演じている。ほかにも隆大介さん、佐野史郎さん、美保純さん、友川カズキさんらベテラン俳優たちが脇を固める。

メガホンをとったのは『受験のシンデレラ」『「わたし」の人生(みち)我が命のタンゴ」の和田秀樹監督。精神科医の顔をもつ和田監督は、医師のほか、執筆活動や講演活動も行う多忙ぶり。1991年から約4年間におよぶアメリカでの留学を経て、本作の製作に着手した。

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(c)「私は絶対許さない」製作委員会

原作と出会ったのは、偶然だったと明かす和田監督。知り合いの編集者から原作の解説の執筆を依頼されたときに初めて目を通したそう。「ゲラを読んだ時に、ある種のリアルさを感じたんです」と当時を振り返る監督。
想像で性犯罪被害者を描こうとすると、苦しめられたり、人間不信に陥ったりする部分を色濃く描きがちだが「そんな人も生きていかないといけない。自分が傷ものになって、結婚や幸せも掴めないという意識を持ってしまったがために、風俗、AVの世界に飛び込む性犯罪被害者は意外と多いんです」と精神科医としての経験から語る。
「いわゆる、一般の人が想像するステレオタイプの性犯罪被害者の姿ではないと原作から感じました。性犯罪被害者の生き様みたいなものを感じたんです」とし、映像化を希望した理由を明かした。

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原作と出会ったときのことを振り返る和田秀樹監督

原作者の雪村さんは、映画化にあたり、加害者の名前を実名で描くことを条件として提示。
監督は雪村さんについて「強くてしっかりした人。性犯罪被害者を受けたとは思えない、大人しい知的な女性」と話すが、一方で「風俗嬢や看護師として、ご自身が一人でたくましく生きておられますが、本人の中ではまったくケジメなんてついていないんです」と根底に強い恨みや怒りの感情があると感じたと明かす。「タイトルの力強さ、条件でもあった実名での役柄、そのふつふつした強い怒りは非常に感じます」と話す。

本作の大きなポイントとなるのが、主観撮影。その狙いを伺うと、心理学のキーワードでもある「共感」の要素が大きいと監督は話す。
「相手の身になって、相手の心を体験する。レイプされた人に可哀想っていくらでも言えるんです」と、性犯罪被害者に対して同情的な視点は持ちやすいと説明。「『同情するなら金をくれ』じゃないですが、お金をくれる人の方が自分の心をわかってくれていると感じる。疑似体験にし、なるべく性犯罪被害者の心に近寄ってもらうおうと考えた」と精神科医として活躍する監督だからこそのこだわりだったことを明かした。

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(c)「私は絶対許さない」製作委員会

高性能のカメラが登場したおかけで、リアリティのある撮影にも成功。主人公・葉子を演じる役者の横にカメラマンがいて、役者の前に小さなカメラをもってくる。カメラが小さいため、役者もカメラ相手ではなく、役者同士で自然に演じることができる。「今はデジタル技術がすごく良くなっているので、いい画質で撮影できるんです」と本作の撮影に自信をのぞかせる監督。
しかし、難しかったシーンもあったとし「主観から鏡で自分自身を映すシーンは、(カメラが写りこまないように)4KのiPhoneを使って撮影しています」とプロでも驚くような工夫で特殊なギミックを表現していることを明かした。「女性の人にはかなり辛い映画だと思いますが、男性にも性暴力に対する怒りを感じてもらいたかった。加害者は遊び感覚だという『無責任さ』も表現すべき」と主観撮影の意味も語ってくれた。

最近では女性が声をあげるようになってきたとはいえ、性犯罪の被害を受ける女性は未だ少なくない。「性犯罪被害者を馬鹿にする人って、まだたくさんいるんです。著名人が告発しても売名行為と叩く人もいまだにいる。実力者に仕事を求めて、レイプやセクハラをしていいはずがない」と世間を騒がせている「#Me Too」にも呼応する作品だと監督は話す。
また、「レイプされた方に隙があるとか、仕事を求めにきたんだから当たり前だろと思ってるような人が、この作品を見てどう感じるのか。無理矢理にされるってことは、こういうことなんだってことを知ってほしい」と願う。「もしかしたら、男性の方が強い力に言いなりになるような気がします。この作品では、女性のたくましさ、強さを描いている。可哀想と思う人だけではなく、女性の強さに共感する人もいるはず」と力強く語ってくれた。

映画『私は絶対許さない』は、4月28日(土)より第七藝術劇場にて上映開始。初日4月28日(土)には和田秀樹監督、平塚千瑛さん、西川可奈子さんによる舞台挨拶が行われる予定。


映画『私は絶対許さない』予告編

詳細情報
■上映日程
4月28日(土)~

※舞台挨拶
4月28日(土)16:40の回上映前
登壇者:和田秀樹監督、平塚千瑛さん、西川可奈子さん

■映画館
第七藝術劇場
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073

■サイト
第七藝術劇場
映画『私は絶対許さない』公式サイト



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