塚口サンサン劇場の改革10年を記した人気連載! 書籍も発売中!

連載コーナーはこちら

「第13回大阪アジアン映画祭」華々しく開催! 大阪と縁の深いゲストも登壇

最新のアジア映画を上映する「第13回大阪アジアン映画祭」が3月9日(⾦)に阪急百貨店うめだ本店9階にある「阪急うめだホール」にて開幕した。アジア18 の国と地域の計53作品を一挙上映し、海外からも多数のゲストが大阪に集う。

asiatop

登壇した国内外のゲスト陣

まず上倉庸敬・大阪映像文化振興事業実行委員会委員長が、老若男女問わず大勢の人で満席となった会場にて「3月18日までの10日間、皆さまがアジアの今をじっくりご存分にお楽しみいただけますよう願ってやみません」と挨拶。続いて、国内外のゲストが登壇した。
登壇したゲストは、写真左から『あなたの宇宙は大丈夫ですか』のプロデューサーのイ・ジョンオンさんと出演の一谷伸さん、『どこでもない、ここしかない』のリム・カーワイ監督、『牌九』のプロデューサーのトゥケン・ジーさんと出演のイリーナ・チュウさん、『朴烈 植民地からのアナキスト』主演のチェ・ヒソさん、『TOURISM』の宮崎大祐監督、『種をまく人』の竹内洋介監督、『スティルライフオブメモリーズ』の矢崎仁司監督、上倉庸敬さん。

top
満席となった会場

ゲストを代表してリム・カーワイ(林家威)監督が挨拶。リム監督はマレーシア出身で、大阪大学を卒業後、北京電影学院で映画を学んだ。現在は大阪に在住。過去に制作した長編映画6作品のうち、大阪・ミナミで撮影した『Fly Me To Minami 恋するミナミ』など5作品が全て本映画祭で世界初上映、または日本初上映に。新作『どこでもない、ここしかない』も今回の特別招待作品に選出されたことを受けて、「今回再び新作を大阪アジアン映画祭に持ってこられて本当にうれしい」と喜びを語った。
また「⼤阪は本当にすごく思い出がある場所で、面白く、アジアにも近いです。これからも大阪で映画を作ろうと思います」と大阪への特別な想いを述べて挨拶を終えた。最後にゲスト全員で記念撮影が行われ、オープニング・セレモニーが終了した。

3
ゲスト代表として挨拶するリム・カーワイ(林家威)監督

続いて、オープニングを飾る韓国映画『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』で主演を務めたチェ・ヒソさんが壇上に残り、上映前の舞台挨拶を行った。チェさんは「小学生のころ日本で暮らしたことあるので、日本語がちょっとできます」と流暢な日本語で挨拶した。
大阪府住吉区にある建国小学校に5年間通い、初めて演劇をしたのも大阪で、5年生の頃だったと話すチェさん。舞台挨拶の途中、観客の中に当時の担任の先生を見つけて、「先生、お久しぶりです」と思わず手を振る場面も。先生も手を挙げて応え、会場が温かい雰囲気に包まれた。
「私にとっては日本初公開が大阪というのが本当に光栄で、すごい縁だと思います」とチェさんは感慨深くコメントした。

4
主人公の日本人・⾦⼦⽂⼦を演じたチェ・ヒソさん

『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』は2017 年に韓国で大ヒットを記録した話題作。『王の運命 歴史を変えた八日間』『空と風と星の詩人 尹東柱の生涯』のイ・ジュンイク監督がメガホンをとり、大正期の日本に実在した無政府主義者・朴烈と⾦⼦⽂⼦の愛と闘いを描いた作品。
主人公・朴烈を『建築学概論』のイ・ジェフンさん、⾦⼦⽂⼦をチェ・ヒソさんが演じている。
1923 年、関東大震災直後に広がった噂により、関東近郊に住む多くの朝鮮人が殺害された。事態の沈静化を計った日本政府は、社会主義活動をしていた朝鮮人⻘年・朴烈に目をつけ、彼の同志で恋人の⾦⼦⽂⼦とともに逮捕する。日本政府の策略に感づいた朴烈と⽂⼦は皇太⼦暗殺計画を自白。大逆罪で起訴された二人は歴史的な裁判に身を投じていく。

⑤『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』_プレスリリースより
『朴烈(パクヨル) 植民地からのアナキスト』

チェさんは、著名な実力派俳優であるイ・ジェフンさんとの共演について、「個人的に大ファンだったので、彼の恋人であり同志の金子文子役のキャスティングが決まった時は、本当に『キャー!』と叫びました」と笑顔でコメントし、会場を沸かせた。一方、幼い頃に親に捨てられるなど複雑な過去を持つ金子文子の役作りについては、本作の脚本のもとになった朴烈と金子文子の史記と自伝を「私が経験したような気分になるまで10回ぐらい読みました」と苦労を語った。
舞台挨拶の後半には、観客席に座っていた本作で栗原一男役を演じた俳優、ハン・ゴンテさんをチェさんが見つけ、急遽登壇することに。会場を埋め尽くす大勢の観客を目にし、ハンさんは「こんなにたくさんの方が集まってくださって……ありがとうございます」と感激した様子。
最後に本作の見どころを聞かれると、チェさんは「大逆事件のお話で重いテーマですが、イ・ジュンイク監督の演出により、コミカルなシーンも多いので、ご覧になって笑っていただけたらいいなと思います」と観客に語りかけ、舞台挨拶は温かい拍手の中で終了した

⑥チェヒソさんと共演者のハンゴンテさん
チェ・ヒソさんと共演者のハン・ゴンテさん

「第13回大阪アジアン映画祭」は3月18 日(日)まで開催。会場は梅田ブルク7(梅田)、ABC ホール(福島)、シネ・リーブル梅田(梅田)、ほか。チケットは、チケットぴあでの前売券販売終了後は、各劇場にて順次販売。

詳細情報
■開催日程
3月9日(金)~3月18日(日)

■料金
当日券は1,500円から。上映当日に各会場にて販売(前売券が完売したものを除く)

■開催会場
梅⽥ブルク7、ABCホール 、シネ・リーブル梅⽥、阪急うめだホール、ほか

■サイト
第13回大阪アジアン映画祭
大阪アジアン映画祭 公式Facebookページ