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2017年06月27日(火)
「いつでも観られると思わずにぜひ映画館へ」―京都で「映画で旅するイタリア」開催中、初日は満席発進

6月24日(土)に京都シネマで「映画で旅するイタリア2017」の特集上映がスタート。初日の映画『やつらって、誰?』上映後、主催の京都ドーナッツクラブの代表でFM802のDJも務める野村雅夫さんがトークショーを開催。

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京都ドーナッツクラブは、京都を拠点にイタリア文化を紹介するグループとして活動。ただ紹介するだけでなく、映画の場合は買い付けから字幕制作、上映に批評まで、あらゆる方法でイタリア文化を広める活動をしている。今回の特集上映では、一週間にわたって日本未公開の最新イタリア映画『やつらって、誰?』『ラテン・ラバー』『アラスカ』(いずれも2015年)の3本が上映。

初日19時40分からの上映では満員になった客席にお礼を述べたあと「映画はどうしても、興行がまず東京みたいなところがある。3年前は東京からこのイベントを始めたが、やっぱり関西でもやりたいということになった」と思いを語る。

毎年開催されているイタリア映画祭では、12本程の新作がそこで上映される。その中から配給会社の人が評価した作品が、日本でも全国公開されるのだが、「イタリア映画祭で上映されないと、どんなに面白い作品でもまず日本に来ません」と語る。
「そこからおもしろいのにこぼれてしまっているイタリア映画が沢山あることを僕らは知っています。はっきり言って今年の3本は当たり。例年ならイタリア映画祭に選出されていてもおかしくない良作がそろった」と笑顔を浮かべた。

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満席となった会場

24日当日に上映された『やつらって、誰?』については、主演のエドアルド・レオとマルコ・ジャッリーニの2人についてトークを展開。「ジャッリーニは東京国際映画祭で観客賞を受賞した『神様の思し召し』の主演俳優です。その賞を獲った時、僕は驚きしました」と振り返る。「各国の映画が選出される東京国際映画祭で、なんとイタリア映画が観客賞ですよ。つまり、日本の観客がこれが一番いいといって受賞したってことですから。それから、まだ日本での劇場公開までは漕ぎ着けられてないけど、ここ数年のイタリア映画祭では年2・3本の主演作がやってきているのがエドアルド・レオです」これから要注目の俳優だという。
「主演させても見ての通り演技も上手いし、監督も出来るんですよ。そして監督作も面白い。ということで必ずここ数年で日本でも劇場公開される作品が出てくると思います」と太鼓判を押す。
人気俳優の演技合戦、腕比べが見どころで、イタリアでもヒットしたという本作品。なおかつ、ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞というイタリア版アカデミー賞で、フランチェスコ・ミッチケ、ファビオ・ボニファッチの二人の監督がともに新人監督賞にノミネートされている。フランチェスコ・ミッチケは父がイタリアの映画史や映画理論を学ぶ上で避けては通れない、高名な映画評論家で、その息子であるフランチェスコはすでに50歳。「50歳なのに新人の名が付くのが不思議だった」という話で会場から笑いが溢れた。一方、ファビオ・ボニファッチは『人生、ここにあり!』という、日本のミニシアターでもスマッシュヒットした作品の脚本を手掛けた人物である。「この二人がここにきてタッグを組んで、新人監督賞を獲得しました。そしてなによりも評価されたのは、まんまとこっちまで騙されてしまう話の展開の上手さでしょうね」と語った。
本作品の魅力はコメディーにもあるという。「笑いって嫌な気分になる人ってあまりいないでしょ。そのとっつきやすさは魅力の一つかな。より多くの人に少しでもイタリア映画に興味を持ってほしい」と話す。

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それ以外の2作、映画『ラテン・ラバー』と映画『アラスカ』についても。
『ラテン・ラバー』はクリスティーナ・コメンチーニ監督によるコメディ作品。マルチェッロ・マストロヤンニを想定したであろう国際的な人気俳優の死後10年後にその妻や愛人たちや、その娘たちが一堂に会したとき新事実がどんどん明らかになっていくというストーリー。女同士の面子や争いになっているところも面白く、「この作品に登場する劇中劇というのが如何にも当時のヨーロッパ映画にありそうな雰囲気が醸し出されていて、往年の映画ファンにも満足してもらえるのでは」と呼びかける。
映画『アラスカ』はパリの高級ホテルで働くファウストとモデルの卵のナディアが織りなすラブストーリー。監督のクラウディオ・クペッリーニはカンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した映画『ゴモラ』(08年)のテレビシリーズ版から出てきた若手の監督。以前から注目していたという野村さんは、主人公のファウストを演じるのがエリオ・ジェルマーノと知って興奮したという。「イタリア映画祭に常連のはずの彼が今回入ってなくて、うちで上映できるということでうれしかった。それぞれの構図が決まっていてシリアスな雰囲気がカッコイイ」と話す。

作品の紹介を終えると野村さんは「是非、明日以降も大勢の方々に来て頂きたい。それは、皆さんのSNSへの投稿が命綱であります」と呼びかけ。「是非ご協力のほど、よろしくお願いします」と念を押し、笑いを誘った。
終始笑いの絶えないトークショーの最後に、野村さんはこう語った。
「今日観て頂いたのは、日本公開される予定のなかった映画。今後、DVD化やネット配信など方法は考えるが、下手すると、これを逃すともう観れなくなる可能性もあります。実際、2年前のある作品なんかはもうお蔵入り状態。なので、いつでも観れると思わないでぜひ映画館に足を運んで欲しい」

「映画で旅するイタリア2017」は京都シネマで6月24日(土)から30日(金)まで開催。料金は一般1,800円、シニア1,100円、学生1,000円、障がい者1,000円。6月29日(木)は上映後にトークショーが予定されている。


映画で旅するイタリア2017 予告編

詳細情報
■開催日程
6月24日(土)~6月30日(金)
 ・6月27日(火) 19時40分~ 『やつらって、誰?』
 ・6月28日(水) 19時40分~ 『ラテン・ラバー』
 ・6月29日(木) 19時40分~ 『アラスカ』※アフタートーク付き
 ・6月30日(金) 19時40分~ 『やつらって、誰?』

■料金
一般1,800円、シニア(60歳以上)1,100円、大学生以下3歳以上1,000円

■映画館
京都シネマ
京都市下京区烏丸通四条下ル水銀屋町620番地COCON烏丸3F、TEL 075-353-4723

■サイト
映画で旅するイタリア2017
映画で旅するイタリア2017 旅のしおり
京都ドーナッツクラブ



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