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『この世界の片隅に』の熱気冷めず 21週目突入の「聖地」テアトル梅田も盛況続く

アニメーション映画『この世界の片隅に』が、大阪のテアトル梅田で21週目というロングラン上映に突入(※5月11日時点で公開半年が経過)。異例の反響を呼んだ同作は、テアトル梅田の歴代興行収入で7位に(※5月17日時点で第5位に浮上)。4月1日(土)からは公開回数を増やした。

入口前特大パネル
テアトル梅田入口の特大パネル

記事追記。
2017年5月11日に、公開から半年を経過。同館の歴代興行収入で5位に、歴代観客動員では『アメリ』『トレインスポッティング』に続く3位に浮上しました。

『この世界の片隅に』(2016年、130分)は、女優・のんさんが主人公の声優を務めるアニメーション映画。第13回文化庁メディア芸術祭優秀賞を受賞したこうの史代さんの同名マンガを、映画『マイマイ新子と千年の魔法』などの片渕須直監督が映画化した。2016年11月より全国公開され、大きな反響となっている。
1月にはキネマ旬報のベスト・テンが発表され、同作が作品賞の1位に。アニメーション映画が作品賞を獲得するのは、1988年の『となりのトトロ』以来の快挙で、片淵監督もアニメ作品では史上初となる日本映画監督賞を受賞した。
さらには、日本アカデミー賞でも、最優秀アニメーション作品賞を受賞。アニメ映画史に残る高い評価を確立した。

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(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会
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(C)こうの史代・双葉社/「この世界の片隅に」製作委員会

同作の人気はその後もとどまるところを知らず、公開20週目で興行収入は25億円、動員190万人を突破。もともとはテアトル梅田、シネ・リーブル梅田、シネ・リーブル神戸など63館での封切だったが、上映館をどんどん拡大。今なお上映を続けている。

その中でも、最初からの上映館で初日以降多くの日で満席を記録したテアトル梅田では、今年の4月1日(土)から公開21週目というロングラン上映に突入。4月1日(土)から4月7日(金)は、16時20分からと20時20分からの2回上映とするという。

テアトル梅田での公開20週突破作品は、2005年以降は初めて。テアトル梅田歴代興行収入では7位になったが、上位6作品はすべて2005年以前の作品。
(5月17日の時点で、『ムトゥ 踊るマハラジャ』『顔』を抜き、5位に浮上)
当初大阪ではテアトル梅田の1館のみでスタートする予定だったが、公開前の問い合わせの多さから、急きょ同系列のシネ・リーブル梅田での上映が決定。それでも公開初日と2日目の2館合計14回上映はすべて満席となり、観られない人が多数出たため、後日にTOHOシネマズなんば、梅田ブルク7にも拡大されたという経緯がある。
ちなみにテアトル梅田では、公開初週から第3週までの土日とサービスデーの水曜日は全席満席が続いたとのこと。公開20週を迎えた今でも水土日は満席になることも多く、いまだ冷めない熱気がうかがえる。

ロビーメインバージョン
ロビーでの展示コーナー

なお、ファンの間では、東京のテアトル新宿と同様に、同作の「聖地」と評されることも。「最初は違うところで観たけど,1回はテアトル梅田で観たくて」という来客も多いという。同館の古野支配人は「当初1館の予定で、早くからメイン館として宣伝をしていたのと、展示している特大ポスターなど独自の展開がSNSで拡散されたことが要因だと思います」と分析している。

「公開3か月後でミニシアターからシネコンへの拡大上映、というのは本当に異例でした。いまでも口コミを聞いた方、リピーターの方など幅広い世代の方が来てくださっています」と述べる古野支配人。
「4月1日の週で21週目を迎えますが、春休みまっただ中ということで期待をこめて2回上映を決定致しました」と話し、観客に感謝の意を表した。

『この世界の片隅に』はテアトル梅田では4月1日(土)から16時20分~と20時20分~上映予定。上映終了日は未定。
その他多数の映画館でも引き続き上映中。

シネマ②移動バージョン

すずさんのありがとう

詳細情報
■映画館
テアトル梅田
大阪市北区茶屋町16-7梅田ロフトB1F、TEL 06-6359-1080

■サイト
映画『この世界の片隅に』公式サイト
テアトル梅田