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観逃した話題作を劇場で―「ミニシアターの2番館」としても活躍 大阪・シアターセブン

単館系作品の「セカンド上映」に積極的に取り組む大阪・十三の映画館シアターセブン。劇場と配給会社の担当者に、セカンド上映の意義と意気込みについて聞いた。

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大阪・十三のシアターセブン

映画業界では「セカンド上映」という呼び方がある。
これは映画興行において、「封切館」と呼ばれる全国初公開の劇場での上映が終了した作品を、別の劇場で続けて上映することを意味する。ミニシアター系の作品ではまず東京で作品が封切られ、次に関西や全国で順次公開、というケースが多い。関西エリアの中でも、主に大阪、京都、兵庫にあるミニシアターを順に回って行く。
上映を行う順番にちなんで1番館・2番館・3番館・・・と称されることから、「セカンド上映」の劇場は2番館と言われることも。
シアターセブンでは大阪の他のミニシアターで上映が終了した作品を、上映プログラムに組みこむことが増えている。すなわち、大阪のミニシアターの2番館としての役割を持つようになってきた。

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シアターセブンではもともと、社会派のドキュメンタリーや自主制作映画、単館系作品を主に取り扱ってきた。
同館がセカンド上映を積極的に行うようになった背景については、同館の番組編成担当者は「2014年に上映した『標的の村』と『ある精肉店のはなし』の反響が大きかった」と語る。
両作品も同じビルにある第七藝術劇場で上映した際に、多くの観客が来場した人気作。その後、シアターセブンでののセカンド上映時期が、キネマ旬報ベスト・テンなどの映画賞が発表されるのに重なり、こちらも多くの来場があったという。

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もともと公開期間が短いものが多いミニシアター系の作品。シネコンと違いスクリーン数も限られていることから、同一作品の1日の上映回数も決して多くはない。例えば上映期間が2週間の作品が1日1回のみの上映しかない場合もあり、日々スケジュールをチェックしている映画ファン以外は、作品を観たくても観る機会を逃してしまうということが多いという。セカンド上映は、そういったニーズを拾いあげる役割も持っている。

今度シアターセブンでセカンド上映が行われる『俺たち文化系プロレスDDT』は、2016年12月にシネマート心斎橋での上映を終えた。プロレス団体DDTプロレスリングが製作を行い、同団体に所属するプロレスラーたちも多く出演しているドキュメンタリー作品だ。
同作品の配給を行う株式会社ライブ・ビューイング・ジャパンの担当者は、セカンド上映の重要性についてこのように語る。
「公開時には作品を知らない、あまり関心を持っていないお客さんが、口コミや映画レビューサイトを見て作品に興味を持って観に行こうと思う頃には、1番館での上映が終了してしまっていることが多いと思います。またこの作品の場合、映画を通してプロレスに興味がなかった人にもプロレスを知ってもらうきっかけにもなり得ます。公開時の上映館が少ない作品については出来る限りセカンド上映を行い、幅広い層のお客さんに観てもらえる機会を増やしたいと思ってます。ひとりでも多くのお客さんに作品を評価していただくことが、ロングランにもつながると思います」

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シアターセブンは今後も、口コミでの評価や話題性が高い作品、内容が良い作品はもちろん、観たいと思っている人がいる限り、積極的にセカンド上映を行っていくという。
セカンド上映館としてのシアターセブンの今後に期待したい。

近日のシアターセブンでのセカンド上映は、『俺たち文化系プロレスDDT』を予定。1月7日(土)から1月13日(金)まで。1月9日(月・祝) には、17時30分回上映後と19時回上映前に、DDTプロレスリングの高木三四郎社長、鶴見亜門GMによる舞台挨拶も開催予定。
また同時期には、、DDT製作、マッスル坂井監督作品『劇場版プロレスキャノンボール2014』の上映も行われる。

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詳細情報
■上映日程
『俺たち文化系プロレスDDT』
 (2016年/日本/74分)
『劇場版プロレスキャノンボール2014』
 1月7日(土)~1月13日(金)

■開催会場
シアターセブン
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ5F、TEL 06-4862-7733

■サイト
『俺たち文化系プロレスDDT』『劇場版プロレスキャノンボール2014』
シアターセブン