ヘッダ画像とロゴ
2016年10月28日(金)
「コーヒー一杯のホッとする時間を提供したい」大阪出身の西尾監督作『函館珈琲』が関西へ

大阪出身の西尾孔志監督の最新作で「函館港イルミナシオン映画祭」のシナリオ大賞映画化プロジェクト作品『函館珈琲』が、10月29日(土)より大阪のシネ・リーブル梅田で公開される。

%e5%87%bd%e9%a4%a8%e8%a5%bf%e5%b0%be
西尾孔志監督

『函館珈琲』(2016年、90分)は、「函館港イルミナシオン映画祭」のシナリオ大賞映画化プロジェクトの第一弾。2013年度函館市長賞を受賞したいとう菜のはさんの同名シナリオを原作にした映画作品。
ある夏の日、主人公の桧山英二(黄川田将也さん)が函館にある仕事場兼居住スペースとして貸し出されている古い洋館「翡翠館」を訪ねるところから物語がスタート。そこで、心に傷を抱えながらも、物作りに励む3人の男女、装飾ガラス職人の堀池一子(片岡礼子さん)、テディベア作家の相澤幸太郎(中島トニーさん)、ピンホールカメラ専門の写真家、藤村佐和(Azumiさん)と出会う。4人は互いのことを打ち明けていくことにより、しだいに前を向いて歩み始め、桧山は、本当に自分がしたいことは何なのかに気付くというストーリー。

%e5%87%bd%e9%a4%a81
(C)HAKODATE project 2016

西尾さんが本作を手掛けることとなったきっかけは、2013年の「函館港イルミナシオン映画祭」の招待作品として、大阪を舞台にした『ソウル・フラワー・トレイン』が上映されたこと。「ちょうどその時に、いとう菜のはさんの『函館珈琲』がシナリオ大賞に選ばれ、『監督をしてもらえないか』とオファーをいただきました。初めて依頼をされて作る作品となりました」。

撮影は2週間、オール函館ロケで行われた。だが、観光地としての函館を映してはいない。そのことについて西尾監督は「『函館珈琲』というタイトルですが、函館の観光映画にはしたくないと思っていましたし、映画祭の方たちもそういうものにはしたくないという思いがありました」と話す。

%e5%87%bd%e9%a4%a82
(C)HAKODATE project 2016

空港のターンテーブルから椅子が流れてくる、という印象的なシーンから始まるが、「この作品は、椅子のシーンで始まり、椅子のシーンで終わります」と監督。「元々脚本にはなかったのですが、脚本ではセリフで描かれた桧山の心情を、何か小道具で伝えられないかなと思い、椅子を用意してもらいました。椅子と桧山の関係が桧山の心情を伝えるものとなっています」と監督自らのアイディアであったことを明かした。

ほかにも、言葉に頼らず、画で表現することにこだわって撮影をしたと語る西尾監督。
「脚本にある心情などを台詞で説明するのではなく、画で説明したいと思っていました。例えば悲しいシーンでは『悲しい』とセリフで言うのではなく、何となく悲しいんだなというのを感じてもらえるように表現することに気を遣いました」と振り返った。

%e5%87%bd%e9%a4%a83
(C)HAKODATE project 2016

そうした苦労も多かった本作だが「こんなにご飯の美味しい現場はありませんでした」と笑顔に。「函館は美味しいものが沢山あるので、ご飯を食べたらみんなまたやる気に。ひとつもギスギスしていない、良い現場でした」と話す。俳優たち、特に翡翠館の4人は、「ずっと翡翠館にいるみたいに楽屋でもいつも一緒だった」といい、「撮影が終わったしばらくたった今でも仲がいいので、いつまでこの人たち仲がいいんだろうとびっくりしているぐらいです(笑)」というエピソードも明かされた。

「特に自分と同世代の3、40代の方たちに観てもらいたい」と語る西尾監督。「3、40代って、大人になるとか、社会人として一人前になるとか何となく言葉では知っているけれども、一体それはどういうことなんだろうかと悩んでいる。絶対そんなに自信なんて持てないし、今やどんどん多様な世界になってしまって、見本になるような人もおらず、ステレオタイプもない。今を一生懸命生きているけれど、将来の自分はどうなっているのかというのもぼんやりしているし、なんだか宙ぶらりんな気持ちなので」と話す。「しかし、僕は現在41歳なんですが、僕自身がそんな気持ちを抱いているということは、50代、60代の人たちもそういう気持ちになられたことがあるかもしれない。そういう意味では普遍的なテーマなのかなと思います。どの年代の方に観ていただいても、共感できるところがあると思ってます」と呼びかける。

監督は最後に、「この映画は『函館珈琲』というタイトルですが、グルメ映画ではなく、コーヒー一杯を飲む時間の大事さというか、その時間で色々と物思いにふけるとか、過去を振り返るとか、そういう立ち止まってみる時間、その時間の大切さを描いている作品」とPR。「忙しい人にこそちょっと立ち止って、コーヒー一杯分のホッとする時間を楽しみにくるような感じで観に来ていただきたいと思います」としめくくった。

映画『函館珈琲』は、10月29日(土)より大阪・シネ・リーブル梅田にて公開。その後、京都みなみ会館、神戸の元町映画館で上映予定。
シネ・リーブル梅田では、初日10月29日(土)と30日(日)に西尾孔志監督のトークショー、11月3日(木・祝)には、Azumiさんの舞台挨拶が予定されている。


映画『函館珈琲』予告編

詳細情報
■上映日程
・シネ・リーブル梅田
10月29日(土)~

・京都みなみ会館
 近日公開

・元町映画館
 近日公開

■映画館
シネ・リーブル梅田
大阪市北区大淀中1-1-88梅田スカイビルタワーイースト3F・4F、TEL 06-6440-5930

京都みなみ会館
京都市南区西九条東比永城町79、TEL 075-661-3993

元町映画館
神戸市中央区元町通り4-1-12、TEL 078-366-2636

■サイト
映画『函館珈琲』公式サイト
シネ・リーブル梅田
京都みなみ会館
元町映画館



過去の記事 >> << 次の記事

「ワイルドバンチ」は大阪・天神橋筋六丁目のブックカフェバーです。
キネプレがコラボして、店内で多数の映画イベントを開催中!(以下一部)


mybookshop

12.05 映画館について語る連載企画。シネマート心斎橋・横田支配人のコラムを配信!

09.01 第92弾を配信!

ミニシアター周辺のオススメごはん店を紹介中!

映画を作るカードゲームのリプレイを掲載中!