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神戸で撮った映画がニューヨークへ 『ハッピーアワー』海外初の劇場公開

濱口竜介監督作、神戸で撮影された5時間17分の映画『ハッピーアワー』が、ニューヨーク近代美術館(MoMA)で1週間の上映が決定。海外で初の劇場公開。

ハッピーアワー1

『ハッピーアワー』は30代後半、4人の女性が主人公の映画。彼女たちの人間関係を軸に、直面するさまざまな悩みや不安、自分や他者と向き合うとはどういうことなのか、を描いた。5時間17分という総上映時間が話題に。また、役者の大半を演技経験のない素人が務めたことでも注目された。
主演の4人は本作で、第68回ロカルノ国際映画祭で主演女優賞を受賞。日本国内での上映の際も、人気が沸騰し、多くの劇場が盛況となっていた。
監督は『PASSION』『親密さ』、東北記録映画3部作(『なみのおと』『なみのこえ』『うたうひと』)などを手がけた濱口竜介さん。第66回芸術選奨文部科学大臣賞の映画部門新人賞に輝いている。東京藝術大学大学院映像研究科出身。東京から2013年4月に関西へと居を移し、神戸を拠点に活動してきた。

本作は、神戸を舞台に撮影され、神戸で行ったワークショップの受講生が出演。ロープウェイや三宮、有馬温泉、メリケンパークなど神戸の様々な土地が映し出されている。

ハッピーアワー2
(C)2015 神戸ワークショップシネマプロジェクト

これまでも劇場公開以外に、さまざまな映画祭へ出品され、上映されてきた本作。今回は、ニューヨーク近代美術館、通称「MoMA」での1週間の上映が決定した。映画祭以外では海外初の劇場上映となる。
MoMAは、モダンアートの一環として映画の収蔵にも力を入れていることで有名。
今回の上映に際して、MoMAのサイトでは「『ハッピーアワー』は、小説的な深みと肌合いを持っていながら、映画特有の、没入でき激しく感動できる体験ももちろん兼ね備えている」(意訳)と紹介されている。

現在は、東京のキネカ大森で上映中、千葉のキネマ旬報シアターなどで上映が予定されている。映画祭も、台湾の第18回台北映画祭、中国の第19回上海国際映画祭、ドイツの第34回ミュンヘン国際映画祭、オーストラリアの第65回メルボルン国際映画祭での上映が決定している。

ちなみにMoMAでは、奈良出身・在住の映画作家、河瀨直美監督の特集上映も、6月25日(土)から実施される。

映画『ハッピーアワー』予告編

詳細情報
■サイト
映画『ハッピーアワー』公式サイト
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