奈良から都会への少女の旅描く　河瀨直美さんのMiu Miuショートフィルムが公開

奈良在住の映画作家・河瀨直美さんが、ファッションブランド「Miu Miu」とコラボレーションしたショートフィルム「SEED」が公開された。主演は女優の安藤サクラさん、音楽はサカナクションが担当。

Photographed by LESLIE KEE

イタリアの人気ブランドと日本人女性監督がコラボレーション。
Miu Miuが2011年より始動したショートフィルムプロジェクト「女性たちの物語」では、国際的に活躍している女性監督が撮影を手がける。「女性ならではの感性で、ときには妖しく、そして幻想的な世界を色鮮やかに描き出す」ことを目指し、女性についての時代を超えたテーマを内包。「21世紀の女性らしさを鋭い視点でたたえる作品を制作してほしい」という思いでスタートした。

これまでも、10人の女性監督が10本のショートフィルムを制作している。過去作品はYouTubeで観られるほか、ヴェネツィア・デイズのプログラムや、ニューヨーココレクションなどで上映されてきた。

今回は11人目として、奈良出身で奈良を拠点に活動する河瀨直美さんが選出。河瀨さんは、『萌の朱雀』（1997年）がカンヌ国際映画祭のカメラ・ドールを、『殯の森』（2007年）が同祭グランプリを受賞した映画作家で、2010年からはなら国際映画祭を立ち上げ、隔年のペースで開催してきた。主演は最近『百円の恋』『0.5ミリ』などで活躍が目覚ましい女優の安藤サクラさん。音楽は、2007年のメジャーデビュー以降、多くのファンを獲得しているサカナクションが担当している。

Photographed by LESLIE KEE

今回の9分12秒のショートフィルム「SEED」は、自然が息づく奈良から東京の人混みへ、少女が旅に出るさまを描く作品。旅の途中で出会う人々や物事との「交換」を通じて、生じる様々な感情や気づきを表現している。
安藤サクラさんについて河瀨さんは「どちらかと言うと妖精のような、ミステリアスな存在」とコメントしている。
2月16日（火）にニューヨークのファッションウィークで公開。今年 9 月に開催されるヴェネツィア映画祭のヴェネツィア・デイズ部門 Giornate degli Autoriでも公開予定。