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日本人監督が北京で撮った異色恋物語 『黒四角』関西公開へ

日本人監督が中国・北京を舞台に、全編北京語で作りあげた異色のラブストーリー『黒四角』が、第七藝術劇場、京都みなみ会館、元町映画館でで順次公開される。

黒四角2人
『黒四角』の奥原浩志監督(写真右)と、主演の中泉英雄さん

『黒四角』(2012年、144分)は、中国を舞台にした異色のラブストーリー作品。画家志望の青年チャオピンは、画廊で「黒四角」という名の絵を目にする。その翌日、空中に浮かぶ謎の黒い四角を発見し、その中から1人の裸体の男が出現するものの、彼は記憶を失っていた・・・というもの。ラブストーリーも盛り込まれながら、60年前の日中戦争についても物語が広がっていく。
主演は中泉英雄さん。監督は、釜山国際映画祭のグランプリやロッテルダム国際映画祭の最優秀アジア映画賞などに輝いた奥原浩志さん。同作は2012年の東京国際映画祭コンペティション部門や、台北映画祭に出品された。

黒四角1
(C)2012 Black Square Film Gootime Cultural Communication Co.,Ltd
黒四角2
(C)2012 Black Square Film Gootime Cultural Communication Co.,Ltd

日本人が手がけながらも、北京を舞台に、全編北京語で作られたという異色作。2008年、文化庁の在外研究制度で単身北京にわたり、映画企画を立ち上げた。そして約4年の歳月を経て完成。中国では珍しいという、インディーズ的な製作体制で、協力者や出資者を募りながら走り抜けた。日本とは異なる外国の環境で、様々な悪戦苦闘をくぐりぬけた末に生み出された野心作だ。

奥原監督は「知らない場所に1人で行った、という自身の体験が反映されているのでは、と思います」と振り返り、「でも中国を舞台にしながらも、映画の撮り方、フレームの切り取り方は日本っぽいかも。対象との距離感も、そうかもしれません」と話す。

中泉英雄さんは、「奥原監督が見た北京がうまく組み込まれている」と評価。戦争についても言及し、「戦争は、中国に住んでいると結構話題に上ること。街を歩いていたり、テレビを見ていたり、いろんなところで目に入ってくる。そうしたものを一回体に入れて、吐きでてきたものだと思います。そういうのも観ていただけたら」と話す。

映画『黒四角』は、大阪・十三の第七藝術劇場で8月23日(土)から9月5日(金)まで上映予定。京都みなみ会館と元町映画館での公開も予定されている。

『黒四角』予告編

詳細情報
■上映日程
第七藝術劇場
 8月23日(土)~9月5日(金)

京都みなみ会館
 近日公開予定

元町映画館
 近日公開予定

■映画館
第七藝術劇場
大阪市淀川区十三本町1-7-27サンポードシティ6F、TEL 06-6302-2073)

京都みなみ会館
京都市南区西九条東比永城町79、TEL 075-661-3993)

元町映画館
神戸市中央区元町通り4-1-12、TEL 078-366-2636)

■サイト
『黒四角』公式サイト
第七藝術劇場
京都みなみ会館
元町映画館