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角川映画の魅力を語りつくす 大阪で「スケキヨナイト」開催

大阪のロフトプラスワン・ウエストで4月10日(木)、往年の角川映画についてのトークイベント「スケキヨナイト~懐かしの角川映画を語ります!~」が開催され、中川右介さん、渡辺裕薫さん、平野秀朗さん、玉置泰紀さんが登壇した。

スケキヨ_集合
トークを行った映画評論家の平野秀朗さん(一番左)、作家の中川右介さん(左から2人目)、
シンデレラエキスプレスの渡辺裕薫さん(左から3人目)、関西ウォーカーの玉置泰紀さん

2月に発売された単行本「角川映画1976-1986日本を変えた10年」にあわせて実施された今回のイベント。同著者で作家の中川右介さん、日本アカデミー賞協会会員で映画にも造詣の深い漫才師シンデレラエキスプレスの渡辺裕薫さん、関西ウォーカーで「銀幕魂」を連載中の映画評論家・平野秀朗さんの3人が集結。
同書の出版に尽力した関西ウォーカーの統括編集長玉置泰紀さんの司会のもと、4人が往年の角川映画についての思いを語り合った。

平野さんは、「本当に面白い本です。資料としてもすぐれた価値があります」と絶賛。それを受けて、中川さんが、同書を作ったきっかけについて解説した。
長い角川映画の歴史の中で、1976年から1986年までの期間に焦点を当てた理由については、「当時の自分も、その期間が一番角川映画を観ていた感覚があります。一番角川映画を撮っている大林宣彦監督とも話し、一つの時代の区切りだったなと感じました」と振り返った。

スケキヨ_トーク中
角川映画の魅力について語る4人

まず話題は、4人のおすすめする角川映画について展開。それぞれがベスト5を発表し、各作品の思い出を語った。
『犬神家の一族』(1976年)、『野生の証明』(1978年)、『復活の日』(1980年)、『セーラー服と機関銃』(1981年)、『蒲田行進曲』(1982年)、『時をかける少女』(1983年)、『Wの悲劇』(1984年)など、多くの映画好きの琴線に触れるタイトルがどんどん飛び出し、観客とともに往年の角川映画を振り返った。

途中、きわどい発言なども飛び出し、会場は爆笑の渦に包まれたが、ニコニコ生放送やユーストリームでも配信していることから「これは言っていいのかなあ」と話し、さらなる笑いを誘う一幕もあった。
終盤には、平野さんが所有する当時のパンフレットやポスター、レコードなども紹介。レアなグッズの数々に、観客からは大きな感嘆の声が上がった。

スケキヨ_お宝
平野さん所蔵のパンフレットやポスターを紹介。観客席から感嘆の声も

最後には、角川映画の魅力についてそれぞれが思いを披露した。
「角川映画は、映画の楽しさを教えてくれました。ぼくたちのこころを引きつけて、楽しみなことをあたえてくれた、エンターテインメントの原点です」と振り返る平野さん。渡辺さんは「映画を作りたい、でもなかなか作れない、そんな監督の才能を信じ、制作の現場をあたえたのが角川映画。若い才能を助け出した功績がすごい」と話した。

終了後は質問タイムも設けられ、満場の観客は濃密な2時間を体験。『犬神家の一族』に登場する、2本の足が水面に突き出ている場面で有名な「スケキヨ」の白マスクをかぶった観客もあらわれ、会場の笑いを誘った。

スケキヨ_会場
満場の観客がトークを楽しんだ
スケキヨ_スケキヨ
「スケキヨ」のマスクの観客も

単行本「角川映画1976-1986日本を変えた10年」は現在好評発売中。終演後には会場販売も行われ、登壇者によるサインも実施された。

また、ロフトプラスワン・ウエストでは、4月4日(金)の開業以降、連日連夜トークイベントを実施中。4月18日(金)には、「関西カルチャーの時代が来る! トーク&ライブ大宴会」と題し、さまざまな関西カルチャーのキーパーソン20人が語り合う一大イベントも予定されている。

■サイト
ロフトプラスワン・ウエスト
http://www.loft-prj.co.jp/west/
「来てから読むか、読んでから行くか」大阪で往年の角川映画トーク[ニュース]
http://www.cinepre.biz/archives/11475
サブカルチャーの殿堂、大阪に ロフトプラスワン・ウエスト開業[レポート]
http://www.cinepre.biz/archives/11679
関西カルチャーの時代が来る! トーク&ライブ大宴会
http://www.loft-prj.co.jp/schedule/west/22036