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無声時代から雪解け期まで 京都・神戸でロシア・ソビエト映画特集

「ロシア・ソヴィエト映画特集 in 関西」が開催へ。京都の元・立誠小特設シアターで1日間、神戸映画資料館で2日間、それぞれ作品上映と講演が行われる。

七月の雨
『七月の雨』(c)Mosfilm, 1966 (写真提供:国立中央映画博物館 Museum of Сinema, Moscow)

「ロシア・ソヴィエト映画特集 in 関西」は、第二次世界大戦前、ソビエト連邦が成立した直後の時代から、スターリンの死後、映画製作への締め付けが緩和した通称「雪解け」期までの作品を上映するとともに、同時代のロシア・ソビエト連邦の映画文化について講演を行う、というもの。

京都の元・立誠小特設シアターでは3月21日(金・祝)に、マルレン・フツィエフ監督の『七月の雨』(1966年)を無料で上映。理想を失った1960年代のモスクワの青春群像を、フランスの映画運動ヌーヴェル・ヴァーグを思わせるタッチで繊細に綴っている。
その後、マクシム・パヴロフさんによる、「ソヴィエト・ヌーヴェル・ヴァーグ-雪解け期の知られざるソ連映画」と題した講演が実施される。
マクシム・パヴロフさんはロシア・モスクワの国立中央映画博物館副館長をつとめているほか、国際交流基金との共催で新藤兼人、大島渚、内田吐夢、鈴木清順らの特集上映を開催するなど、日本映画にも造詣が深い人物として知られている。

七月の雨
『七月の雨』(c)Mosfilm, 1966 (写真提供:国立中央映画博物館 Museum of Сinema, Moscow)

神戸・新長田の神戸映画資料館では、3月22日(土)と23日(日)の2日間、作品上映を実施。
第一次世界大戦で記憶を失った男が、全く見知らぬ革命政権後の世界で意識を取り戻す『帝国の破片』(1929年、100分)、19世紀のフランスのパリ・コミューンを舞台に、引き裂かれる恋人たちを描く『新バビロン』(1929年、102分)、労働者によって自発的に立てられた高い目標計画のもと、タービン建設に取り組む労働者たちを描く『呼応計画』(1932年、110分)の3作品を上映する。
『帝国の破片』『新バビロン』は無声映画、『呼応計画』はトーキー作品となる。
また、22日(土)には、京都と同じくマクシム・パヴロフさんの講演を実施。「フリードリヒ・エルムレルとソ連無声映画の黄金時代(1925-1930)」をテーマに、当時のレニングラード映画界の巨匠監督の活動について紹介する。

当時のソビエト映画文化の一端に触れることのできる、またとない機会。興味のある方は、京都もしくは神戸の会場へ足を運んでみては。

詳細情報
開催日程 ・元・立誠小特設シアター
 3月21日(金・祝)
 12時30分~ 『七月の雨』上映
 14時30分~ 講演「ソヴィエト・ヌーヴェル・ヴァーグ-雪解け期の知られざるソ連映画」

・神戸映画資料館
 3月22日(土)
 11時30分~ 『呼応計画』上映
 13時40分~ 『帝国の破片』上映
 15時40分~ 講演「フリードリヒ・エルムレルとソ連無声映画の黄金時代」
 17時30分~ 『新バビロン』上映

 3月23日(日)
 13時~ 『新バビロン』上映
 15時~ 『帝国の破片』上映
 17時~ 『呼応計画』上映

料金 元・立誠小特設シアター
 上映・講演ともに無料

神戸映画資料館
 講演無料
 上映は1作品一般1,200円、学生・シニア1,000円
 (会員割引あり)

開催会場 元・立誠小特設シアター
京都市中京区備前島町310-2、TEL 080-3842-5398)

神戸映画資料館
神戸市長田区腕塚町5-5-1アスタくにづか1番館北棟2F、TEL 078-754-8039)

サイト 元・立誠小学校 特設シアター
http://risseicinema.com/
神戸映画資料館
http://kobe-eiga.net/