アメリカの歴史と歩んだ執事の半生　『大統領の執事の涙』公開へ

実話をもとに、7人のアメリカ大統領に仕えた黒人の執事の人生を描いた映画『大統領の執事の涙』が、全国の映画館で一斉公開される。

『大統領の執事の涙』（2013年、132分）は、ヒューマンドラマ。綿花畑の小作農から、ホテルのボーイ、そして大統領の執事へと出世した1人の黒人男性の半生をたどりながら、アメリカが経験してきた国内外の事件、とりわけ黒人差別や公民権運動などの事件を描く映画となっている。
主演は、フォレスト・ウィテカー。『バード』（1988年）でカンヌ国際映画祭の男優賞に輝いたほか、『ラストキング・オブ・スコットランド』（2006年）でゴールデングローブ賞とアカデミー賞主演男優賞を受賞した。

もともと、ワシントン・ポストに掲載された記事、1950年代から80年代にかけて8期の大統領に仕えた黒人執事ユージン・アレンの実話を元に、構想されたという本作。オバマ大統領も本作を観賞しコメントを残すなど、大きな反響を呼んでいる。
見どころの一つは、歴史的に有名な大統領たちの登場。アイゼンハワー、ケネディ、ニクソン、レーガンらが、それぞれの歴史の中で決断を下していく様子や、彼らがキューバ危機、ケネディ暗殺、ベトナム戦争についてどう取り組んだかが、黒人執事の目を通して描かれている。