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宮古に伝わる歌の記録を 海外絶賛の映画が関西上陸

沖縄県宮古諸島の文化に迫ったドキュメンタリー映画『スケッチ・オブ・ミャーク』(104分)が、大阪・第七藝術劇場を皮切りに、11月17日(土)から関西4館で順次公開される。


「この文化はぜひとも記録しなければと思った」と話す大西功一監督

宮古島で伝承されている貴重な唄とその歌い手にカメラを向け、「知られざる日本の文化」に光を当てた力作が関西にやってくる。

『スケッチ・オブ・ミャーク』はドキュメンタリー映画。宮古島で長年歌い継がれてきた「アーグ」と「神歌」に着目し、神とともにある宮古島の文化や歌い手たちの生活、後継者問題にまで言及している。
監督は大阪出身の映像クリエーター大西功一さん。映画作品を手がけたのは16年ぶりだという。もともと知り合いだった音楽家の久保田麻琴さんが同島を訪れ、数百年の歴史を持つ口承音楽に出会ったことから、この映画の企画が持ち上がった。
スクリーンに登場するのは、歌い手である大正生まれの女性を中心にした宮古島の人たち。彼女らの普段の生活を通して、歌と文化が密接に結びついている様子がまざまざと映し出されている。


『スケッチ・オブ・ミャーク』 (c)Koichi Onishi 2011

本作の撮影が始まったのは2009年の春。大西監督は「こういう唄が何百年と続いてきた奇跡を知った驚きと、それが明日無くなってもおかしくないという危機感から、記録しなければ思いました」と話す。映画という手段を選んだことについては「宮古島のことを伝えるだけなら文章でもいいんです。映像という手段を使う以上、空気や感覚をつかんでもらいたいなと。解説するのではなく、記録したかったんです」とも。

「ここに出てくる歌は、プロでも何でもない普通の人が歌い継いできた。歌ってもともとそういう性質のものだと思う」と話す大西監督。閉ざされた空間の異文化という珍しさと、すべての人に通じる普遍性が並立しているという。その両面が評価され、ロカルノ国際映画祭や東京での上映時にも大きな反響があったそうだ。


『スケッチ・オブ・ミャーク』 (c)Koichi Onishi 2011

朗々とした唄の響き、そしてその根底に流れる宮古島の歴史と文化。神の息吹を感じながら唄と共に生きる女性たちの姿を、ぜひスクリーンで目撃してほしい。

『スケッチ・オブ・ミャーク』は、11月17日(土)より順次公開予定。大阪・第七藝術劇場で11月17日(土)から、神戸・元町映画館で11月24日(土)から、京都みなみ会館で12月8日(土)から、宝塚シネ・ピピアで12月15日(土)から、それぞれ上映される。

■予告編

■上映日時
第七藝術劇場 11月17日(土)~
元町映画館 11月24日(土)~
京都みなみ会館 12月8日(土)~
宝塚シネ・ピピア 12月15日(土)~

■映画館
第七藝術劇場
(大阪市淀川区十三本町1-7-27 サンポードシティ6階 、TEL 06-6302-2073)
元町映画館
(神戸市中央区元町通り4-1-12、TEL 078-366-2636)
京都みなみ会館
(京都市南区西九条東比永城町79、TEL 075-661-3993)
宝塚シネ・ピピア
(宝塚市売布2-5-1ピピアめふ5階、TEL 0797-87-3565)

■サイト
『スケッチ・オブ・ミャーク』公式サイト
http://sketchesofmyahk.com/
第七藝術劇場
http://www.nanagei.com/
元町映画館
http://www.motoei.com/
京都みなみ会館
http://kyoto-minamikaikan.jp/
宝塚シネ・ピピア
http://www.cinepipia.com/